ライター:能登春子
[3月26日アップ]
3月24日より全国ロードショー
冴えないショーマン、ヘクター(ハビエル・バルデム)が
古びたペットショップの片隅で、小さなオリの中で
楽しそうに歌い踊るワニの子ども、ライルを見つける。
ヘクターはライルをショーの相棒にしようと家へ連れ帰る。
ライルの歌と踊りは見事なもので、ヘクターとの息も
ぴったり。
そうしてヘクターはライルとのショー初日を迎えるが、
ライルは大勢の観客を前にしたとたん、歌えなくなって
しまう。
ステージの失敗と独りぼっちになった寂しさを抱えたライルは孤独なジョシュとの出会いで、
再び歌う楽しさを思い出す。
そして、ライルが自由に歌い踊る様子を見たジョシュや彼の両親にもポジティブな変化が現れる。
CGキャラクターのライルがとっても魅力的。特に小さな頃のライルはたまらなくかわいいい! 
ライルは言葉を話さず、音楽だけで自分を表現する。
音を聴けば、たちまち歌い踊り出すライルにつられて、観ている方もワクワクしてしまう。
全編、明るいナンバーが流れる楽しいミュージカルだが、はちゃめちゃなヘクターに扮した、
いぶし銀の名優ハビエル・バルデムの突き抜けた演技がこの作品をより面白くしている。
https://www.sing-for-me-lyle.jp/
オフィシャルサイト
ミュージカル映画界の新スター
歌って踊れるワニが大活躍!

掲載リスト
 ライル
 メグレと若い女の死
 長ぐつをはいたネコと9つの命
 フェイブルマンズ
 アラビアンナイト
 worth 命の値段
 スクロール
 すべてうまくいきますように
 嘘八百
 ホイットニー・ヒューストン
 非常宣言
 ザ・メニュー
 奇蹟の人
 パラレル・マザーズ
七人樂隊
 秘密の森の、その向こう
 ブレット・トレイン
 この子は邪悪
 ハウ

シネマプレイスはあんか通販とともに、楽しい情報をお届けいたします。
シネマプレイスがお届けするおすすめ映画レビューは独自の視点で新作映画をご紹介しています
アメリカの人気絵本『ワニのライルのおはなし』
シリーズがとびきり楽しいミュージカル映画になった。
ニューヨークを舞台に、“歌うワニ”、ライルをめぐる、
てんやわんやの大騒動が描かれる。
ショーが失敗し、借金を負ったヘクターは自宅のアパートを手放し、1人でショーの旅に出る。
その間、残されたライルはアパートの屋根裏部屋に隠れ住むことに。
やがて月日は流れ、ライルの潜むアパートに少年ジョシュ(ウィンズロー・フェグリー)と家族が
越してくる。
『ラ・ラ・ランド』(‘16年)、『グレイテスト・ショーマン』(’17年)を手がけたシングライター・
デュオ『パセックポール』のベンジ・パセック、ジャスティン・ポールが4曲のオリジナル曲を
書き下ろしている。
日本語吹き替え版でライルの声を演じるのは俳優の大泉洋。
心優しいライルにぴったりな繊細な美声を聴かせてくれる。
ヘクターの声にはミュージカル俳優の石丸幹二が扮し、迫力ある
パフォー・マンスを見せる。
CINEMAライター 能登春子木香圭介/宮島一美/石倉ことこ
大人気フルCGアニメーション『シュレック』シリーズ
(‘01~’10年)から生まれた愛すべきキャラクター、
伝説のネコ“プス”の活躍を描く『長ぐつをはいたネコ』
の続編が11年ぶりに登場した。
[2月26日アップ]
本作はすべてのシーンがスピルバーグの子ども時代に基づいており、
かなりプライベートな家族の問題までさらけ出している。
スピルバーグは子どもの頃から卓越した映画作りの才能を見せるが、
映画を撮らなければ彼が感じた痛みはもっと少なかったかもしれない
とも思え、天才に与えられた試練の大きさに切なくなる。
そんなアリシアが講演のために訪れたトルコ・イスタン
ブールで不思議な体験をする。
バザールの土産物屋で購入した青と白の螺旋模様の
入った“ナイチンゲールの目”というガラスの小瓶から、
なんと巨大な黒い魔人 (イドリス・エルバ) が現れたのだ。
ライター:能登春子
9.11事件後に起こった命を巡る物語
命の重みを静かに問う社会派ヒューマンドラマ
熱狂的な映画好きとして知られるバラク・オバマ元大統領夫妻が本作にほれ込み、
彼らの創設した製作会社ハイヤー・グラウンド・プロダクションズが配給権を獲得
したことも話題の映画である。
中川が演じるのは〈僕〉の学生時代の友人ユウスケ。
〈僕〉とは対照的に、毎日が楽しければそれでいいと刹那的に生きてきた。
そんな2人が、目立たなかった同級生・森が自殺したという報せをきっかけに自分の人生を
本気で見つめ直していく。
ライター:能登春子
[3月20日アップ]
パトリス・ルコント監督が描くパリの闇
重厚でクラシカルな雰囲気漂うミステリー映画
[3月12日アップ]
3月17日より全国ロードショー
『仕立て屋の恋』(’89年)、『髪結いの亭主』(‘90年)
など、官能的な大人の恋愛劇に定評があるフランスの
名匠パトリス・ルコント監督の8年ぶりの最新作。
3月17日より全国ロードショー
『仕立て屋の恋』の原作者でもある作家ジョルジュ・
シムノンの人気ミステリー小説『メグレ警視』シリーズ
の中から名作の呼び声高い作品を映画化した。
ライター:能登春子
モフモフだけどカッコいい、ギャップに萌える
伝説のネコの活躍を描く待望のシリーズ第2弾
1953年のパリ。
モンマルトルのヴァンティミーユ広場で、シルクの
イブニングドレスが血で真っ赤に染まった若い女性の
刺殺体が発見される。
遺体のそばには身元を示すものはなく、目撃者も
いなかった。
モフモフした愛らしい見た目とは裏腹に心はワイルドで
ダンディなスゴ腕騎士のプスと個性豊かなキャラクター
たちが織り成す冒険は、キレッキレのアクションシーンも
ネコ特有のかわいらしさもグレードアップしている。
ライター:能登春子
3月3日より全国ロードショー
事件の捜査を依頼されたメグレ警視(ジェラール・ドパルデュー)は若い女性が着るには
不釣り合いなほど高級なドレスを唯一の手掛かりに捜査を開始する。
映画は、不安げな表情の若い女性がブティックでドレスに着替えるシーンで幕を開ける。
その後、彼女は奇妙な行動を取り、死体となって発見される。
不穏な雰囲気漂う幕開けから、一気に物語の世界へ引き込まれる。
お尋ね者の賞金首プスは自由気ままにスリルと冒険を
楽しんでいたが、巨人との激闘の末、うっかり死んでしまう。
これで9つあったプスの命は8つを使い切り、残り1つに。
そんなプスの前に賞金稼ぎのウルフが現れる。
最後の命を失うことに恐怖を覚えたプスはレジェンドの
看板を下ろし、家ネコとして、おとなしく暮らすことにする。
映画監督への夢を支えた、ほろ苦い経験
スピルバーグの創作の秘密を紐解く自伝的映画
SFファンタジー『E.T.』、戦争ドラマ『シンドラーのリスト』、
娯楽アクション『ジュラシック・パーク』など、さまざまな
ジャンルで数々の名作を生み出したスティーブン・
スピルバーグ監督は、まさに映画の神の申し子と
いっても過言ではないだろう。
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そして、コンピューター開発の成果により父がIBMに転職したことから一家はカリフォルニアに
引っ越すが、アリゾナでの生活を恋しがるミッツィは精神を病んでしまう。
また、高校生となったサミーはユダヤ系であるためにイジメられたり、初恋をしたり、ありのままを
映し出す映画の怖さを知ったりと、ほろ苦い経験を重ねていく。
[2月12日アップ]
主人公は孤独な中年女性、アリシア。
物語論(ナラトロジー) の専門家として世界をまたにかけて
活躍しているが、想像力が豊か過ぎるあまりに、少女時代
から物語の世界に耽り孤独を深めていた。
2月23日より公開
これまで9.11事件をテーマにした作品は、事件当日やテロ組織への報復の顛末など
アクション映画が主だったが、本作は事件後を生きる人々の姿を静かに追った
社会派ヒューマンドラマである。
やや地味な展開にも映るが、遺族の愛する人たちへの思いは胸に迫るものがある。
北村が演じるのは〈僕〉と呼ばれる若者。
就職はしたものの、パワハラ上司(忍成修吾)にすべてを否定される日々に「社会に夢を見ては
いけない」という想いをSNSに上げて心の平静を保っているが、実は自殺願望を抱えている。
この映画の内容を知ると、映画のタイトルが本当に
切なくて悲しくなる。
なぜなら、『すべてうまくいきますように』と願って
いるのは最愛の父の安楽死なのだから。
鮮やかな色彩の映像も必見の価値あり。
ドリームワークスのクリエイター陣のイマジネーション豊かな世界を素直に楽しみたい。
スピルバーグを投影した主人公のサミー・フェイブルマンは少年時代を3つの土地で過ごし、
彼の人生に大きな影響を与える経験をする。
幼い頃に過ごしたニュージャージーでは、初めて映画館で観た『地上最大のショウ』をきっかけに、
自分でも映像を撮ることに夢中になる。
孤独な女性と魔人とのファンタジックな愛の物語
エキゾチックで幻想的なアラビアの世界は必見の
価値あり
そうして行き着いた保護猫ホームで、プスはどんな願いも叶う「願い星」の噂を聞き、再び9つの
命を手に入れるため、プスを慕う超ポジティブな犬のワンコとともに冒険の旅に出る。
若い女性の身元を探るうちに見えてくるのは1950年代のパリの闇。
夢と現実の狭間で揺れる若い女性たちが生きるパリとは? 
往年のクラシック映画を彷彿させる陰影の濃い映像が美しくも危うい世界を
見事に描き出し、ミステリアスな雰囲気を高めている。
この判断は理解しがたいのが、「最愛の我が子」という思いを胸に刻んでしまった母心のなせる
業なのだろうか?
この後、ジャニスが真実を知らないアナと不思議な関係を築いていく過程が不穏な気配を
まといながら描かれる。
メグレ警視を演じるのはフランスの名優ジェラール・ドパルデュー。
被害者の女性に寄り添いながら真相に迫るメグレ警視を淡々と演じつつも、
深みのあるキャラクターに仕上げている。
「願い星」を狙うのは、プスのほかに、不良少女ゴルディーと3匹の熊の犯罪ファミリー、魔法で
世界征服を図る極悪なジャック・ホーナー。
さらに、プスの元カノでスリの天才キティ・フワフワコーデや、プスをつけ狙う不気味なウルフなど、
それぞれ事情を抱えたキャラクターたちが絡み合うストーリーは細部まで練り込まれ、思い切り
笑った後にちょっぴりほろっとさせられる。
そんなスピルバーグが映画監督の夢を叶えるまでの
成長期の体験を綴った自伝的映画を製作した。
少年時代から8ミリカメラで、家族の記録や友人たちと
映画を撮影していたスピルバーグは、映画を作ることで
楽しさとともに、痛みを味わうことになる。
[2月19日アップ]
奇想天外なファンタジー映画だが、“孤独”をテーマにしたことで共感できるストーリーと
なっている。
完全に現実逃避できる、映画ならではの醍醐味を堪能しながらも、生きる上での“気づき”を
与えてくれるはず。
https://unpfilm.com/maigret/index.html
オフィシャルサイト
カッコよかったり、かわいかったり、多彩な面を見せるプスが圧倒的な存在感を見せるが、
実は健気なワンコも人気が出そう。
豊かに特徴づけられたキャラクターたちが実に魅力的だ。
ライター:能登春子
鑑賞後は映画の魔法にかけられたような気分になるだろう。
“映画って、やっぱりいいな”と思わせてくれる逸品だ。
2月23日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
日本語版でプスの声を演じるのは山本耕史、キティには土屋アンナ。
オリジナル版でプスの声を演じるのはアントニオ・バンデラス、キティにはサルマ・ハエックと
イメージぴったりの俳優たちがキャスティングされている。
優秀な科学者の父バート(ポール・ダノ)の転職で移り住んだアリゾナでは、友人たちと本格的な
映画作りを楽しむ一方で、快活で感性豊かなピアニストの母ミッツィ(ミッシェル・ウィリアムズ)の
秘密を知り、心を痛めることに。
イスラムの説話集『アラビアンナイト』で語られる物語の
一つ、『アラジンと魔法のランプ』をモチーフにした
摩訶不思議な〈おとぎ話〉が繰り広げられる。
事件調停のプロを自認するケン・ファインバーグ(マイケル・キートン)弁護士は、独自の
計算式に則り合理的に補償金を分配しようと試みる。
現代社会で、自分の思うように生きられている人は
一体どれくらいいるのだろう。
不景気にパワハラ……、頑張って働きたくても、
働く意欲を失わせる社会に心を疲弊していく若者たち。
本作には、そんな未来に夢や希望を持てない
若者たちの絶望感や焦燥感が充満している。
家族や自己のアイデンティティに悩み、どこか物憂げなサミーを演じた
ガブリエル・ラベルは繊細で思慮深いスピルバーグを彷彿させる。
誰もが人生の中で、ままならない出来事に遭遇することがある。それでも、すべての出来事には
意味がある。
だから、“乗り越えて”夢を抱く人々に向けたスピルバーグの力強いメッセージが心に沁みる―。
ジンと名乗る魔人は「解放してくれたお礼に3つの願いを叶えてあげよう」と申し出る。
そして、人間サイズになり、なぜかバスローブを羽織ったジンは自分の欲望が原因で3度も
瓶の中に閉じ込められたという身の上話を語りはじめる。
当国アメリカのみならず、世界中の人々に衝撃を与えた
9.11事件。
あの朝、普通に家を出た人々を突如失った家族や
恋人たちにはその哀しみや苦しみを癒す間もなく、
さらに惨い現実が突きつけられた。
人を愛したために瓶へ閉じ込められ、深い孤独を味わってきたジンに対し、アリシアは愛情を
抱くようになる。
やがて心を通わせた2人はともに生きる道を選び、孤独ではなくなるのだが、新たな問題に
直面する。
[1月29日アップ]
アメリカ政府は被害者家族を救済するために、事件から
わずか11日後の9月22日に〈9.11被害者補償プログラム〉
を立ち上げたが、それはテロ被害者たちの命の価値を
測ることになった。
ライター:能登春子
2月3日より公開
診断の結果は脳卒中で、命に危険はなかったがアンドレの身体には麻痺が残った。
元実業家で自信家のアンドレは、思うように話すこともベッドから起き上がることさえできない
自分の姿を嘆き、医師やエマニュエルに「終わらせてほしい」と懇願する。
ライター:能登春子
2023年1月6日より公開
数々の大ヒット曲を残し、世界を魅了した歌姫として知られるホイットニー・エリザベス・
ヒューストンはかつてニュージャージーの教会で歌を歌う少女だった。
韓国映画界のトップスター、ソン・ガンホとイ・ビョンホン
が豪華共演を果たした密室パニックアクションエンター
テイメント映画。
https://fabelmans-film.jp/
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旧約聖書にあるソロモン王とシバの女王の物語を皮切りに、愛欲や支配欲にまみえる
アラビアの“闇”の世界がイマジネーション溢れる映像で描かれる。
煙のように変幻自在に姿を変える魔人や、猥雑でエキゾチックなアラビアの光景など、
CGを駆使したマジカルな映像は素直に楽しめる。
本作は、プログラムを束ねる特別管理人に任命された
ワシントンD.C.の弁護士ケン・ファインバーグの回想録
『What is life worth?』を基に、人の〈命の重さ〉について
静かに問いかける。
未来に夢を持てない現代に生きる
若者たちの心の痛みに共感
原作は『まぼろし』以来、オゾン監督作品で共同脚本を務めたエマニュエル・ベルンエイムの
自伝的小説。
残念ながらエマニュエルは2017年にがんにより他界されたという。
中井貴一が演じるのは、冴えない目利きの古美術商
店主・小池則夫。
佐々木蔵之介が演じるのは、くすぶったままの腕利き
陶芸家・野田佐輔。
くすぶり続ける《骨董コンビ》のオヤジたちがパワフルな
街・なにわ・大阪を舞台に、起死回生の“嘘八百”を
ぶち上げる!
ライター:木香圭介
12月23日よりロードショー
没後10年、
伝説の歌姫・ホイットニー・ヒューストンの半生
しかし、多くの時間を費やして描いているのは、ホイットニーの圧倒的な歌唱シーン。
全米でシングル・チャート1位を獲得した楽曲は殆ど登場している。
特に【I Have Nothing】の歌唱シーンは感動ものだ。
ジェヒョク父娘や若い男、イノの妻が乗り合わせたハワイ行きKI501便が離陸すると、若い男が
行動を起こす。
体内に隠した粉末を飛行機のトイレにまき散らしたのだ。
ライター:能登春子
11月18日より全国ロードショー
https://longride.jp/worth/#home
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世の中に絶望していた〈僕〉はパワハラ上司に立ち向かった元同僚の〈私〉(古川琴音)に出会い、
自分の心を解き放とうとする。
そして、ユウスケは“愛すること”に本気で向き合い、菜穂(松岡茉優)に結婚を申し込むが…。
『まぼろし』(‘01)、『8人の女たち』(‘02)などで
知られるフランスの名匠フランソワ・オゾン監督が、
父親の死を“準備”する姉妹の葛藤を軸に、誰にでも
訪れる家族との別れを前にした人々の思いをリアルに
描き出した。
しかし、年齢や家族構成、収入など、物理的な側面のみを鑑みたファインバーグのやり方は、
冷徹に“命の値段”を算出することになり、被害者たちは反発する。
監督は『マッドマックス』シリーズのジョージ・ミラー。
https://www.3wishes.jp/
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描かれるのは、“命の値段”をめぐり苦悩する遺族と弁護士たちの姿。
さまざまな事情を抱えた遺族たちの話を聞くうち、ケンのチームの弁護士たちもケンの方法に
矛盾を抱くようになる。
[2023年1月22日アップ]
それまでの平穏や生活や“最期”の時の光景など、悲しみに暮れる遺族たちの話を
聞くのは辛い。
プログラム反対派の遺族たちは人の命だけではなく、尊厳をも奪う行為に抗う。
そして弁護士たちもそんな遺族たちの気持ちに寄り添うよう心を尽くす。
YOASOBIのヒット曲『ハルジオン』の原作者を手がける
など、若い世代に人気の作家・橋爪駿輝の小説
デビュー作を映画化。
人気と実力を兼ね備えた若手俳優、北村匠海と
中川大志がW主演を務めた注目作である。
人生の“最期”を望む父と娘の葛藤を
涙とユーモアで綴る、異色の人生賛歌
ライター:能登春子
2月3日より公開
https://ewf-movie.jp/
オフィシャルサイト
歴史的発見は一獲千金だけではなく、世知辛い現代に生きる人々の沈んだ心に夢やロマンを
与えてくれる。
本当の宝とは何なのか? 芸達者たちが揃ったドタバタコメディはクライマックスにジンと来る
メッセージがある。
『ボヘミアン・ラプソディ』のアンソニー・マクカーテンが
脚本を手掛け、『ハリエット』のケイシー・レモンズが
監督を務め、クライヴ・デイヴィスが、プロデューサーを
している。
ライター:能登春子
2023年1月6日より公開
さまざまな恐怖に見舞われた乗員乗客たちは果たして無事に生き残れるのか。
ウイルス感染の恐怖が引き起こすクライマックスシーンは今の時代だからこそ、
考えさせられるものがある。
上演時間2時間20分の長尺だが、ドラマチックな韓流パニックアクションの
醍醐味に思う存分酔いしれてほしい。
島に到着するやいなや、怪しい雰囲気がプンプン漂う。
まずはレストランの女性給仕長エルサ(ホン・チャウ)が何とも不気味。
レストランへ向かう前の島ツアーで人から聞こえてきたのは、「スローヴィクの家にはスタッフの
誰も入ったことが無い」とのことだった。
そんな謎めいたカリスマシェフ、スローヴィクを演じるレイフ・ファインズの怪演が最高だ!
底知れぬ狂気を秘めたスローヴィクは身震いしてしまうほど怖い。
医療の知識も技術もない彼の施術は、病人を見たり、
触ったりしただけで腫瘍など病気の原因を見つけ、
さらにはホセ自らが素手やハサミなどで患者の身体を
麻酔なしで切り、患部を手づかみで取り出すという、
正直言って猟奇的ともいえるものだった。
それでもガンさえも完治させる彼の治療は奇跡の
治療として大きな評判を呼んだ。
スペインの悲劇を絡めて描く
「我が子」をめぐる母親の複雑な愛情
スペインの鬼才ペドロ・アルモドバル監督の最新作は、
自身の出世作『オール・アバウト・マイ・マザー』
(’98年)以来、幾度もテーマにしてきた母と娘との物語。
母と娘であると同時に、1人の人間や女性でもある
彼女たちの関係は複雑で見応えあるドラマが描かれて
きた。
http://klockworx-asia.com/hijyosengen/
オフィシャルサイト
前菜、パン、スープ、メイン…、料理をこよなく愛するスローヴィグがその思いをたっぷり込めた
料理は次第に常軌を逸していく。
恐怖の料理って、どんなものなのか? よほど驚くべきものでないと観客は納得しないと思うが、
怖がらせようとする仕掛けは十分に仕込まれている。
そんな超人的な力を宿したホセ・アリゴーとは一体
何者なのか? 
“神”に選ばれた男の過酷な半生がミステリータッチで
描かれる。
本作では、産まれた子どもの取り違えに直面した母親が
苦悩し、葛藤する姿を通し、「母として生きる」ことについて
問いかける。
登場する料理はサンフランシスコの三つ星レストランの有名シェフが
監修した本格派だが、食べるのは難しいものばかり。
“グルメ”な人々への辛めな皮肉をまぶした風刺スリラーとして、
奇想天外なメニューの数々をじっくり堪能してほしい。
図らずも心霊手術師になってしまったホセの苦悩の深さを表わすように、映画は終始、重苦しい
雰囲気に包まれる。
ホセの力は“神”に与えられたものなのか?
キリスト教への信仰心の篤いブラジルらしい宗教を絡めた展開も不穏な雰囲気を高める。
2016年、スペイン・マドリード。
カメラマンのジャニス(ペネロペ・クルス)は別れた元夫の
法人類学者アルトゥロ(イスラエル・エレハルデ)に、
スペイン内戦時にフランコ政権に殺されたジャニスの
曽祖父を含む数十人の人々の遺骨の発掘を依頼する。
ライター:能登春子
10月7日より新宿武蔵野館ほか
全国順次ロードショー
[10月2日アップ]
地上で活躍するのはソン・ガンホ。
妻との海外旅行をドタキャンしてしまうような飄々としたオヤジが一転、妻の命を救うために
命がけで闘う姿はまるで『ダイ・ハード』のジョン・マクレーン刑事のよう。
2人の名優たちの熱い演技は見応えたっぷりだ。
そして、バイオテロリスト役のイム・シワンも何を考えているか分からない不気味さ満点で、
スリルを高めている。
監督・脚本・編集を務めたのは、『CUBE 一度入ったら、最後』('21年)の清水康彦。
世の中の不条理を表現したような前衛的な映像が若者たちの心の痛みを際立たせる。
エマニュエルの子ども時代の光景や、アンドレの妻クロード(シャーロット・ランプリング)の冷たい
態度、父が姉を頼りにしたことに嫉妬するパスカルの姿など、ずっと昔から家族たちが自分本位の
アンドレに振り回され傷つけられてきただろうことが伺える。
そんな愛憎渦まく家族関係だが、やっぱり父や夫のアンドレには生きていて欲しい、と願っている。
実力派俳優たちの丁々発止の掛け合いが楽しい
お宝をめぐる大騒動を描く人気コメディシリーズ
第3弾
監督は『嘘八百』シリーズ前2作も手がけた武正晴。
近年ではNetflixで配信中の話題作『全裸監督』(’19年)の総監督・監督を務めたことでも
注目される。
敏腕の音楽プロデューサーのクライヴ・デイヴィスと出会ったことで、ホイットニーは
数々のヒットソングを生みだす歌姫へと姿を変えていく―。
バイオテロリストにハイジャックされた飛行機の乗員
乗客たちを救うため、空と地上とで繰り広げられる死闘
が壮大なスケールで描かれる。
https://scroll-movie.com/
ほかにも、著名な料理評論家のリリアン(ジャネット・マクティア)と雑誌編集者のテッド
(ボール・アデルスタイン)、グルメ番組の司会者を狙う落ち目の映画スター(ジョン・レグイザモ)と
アシスタントのフェシリティ(エイミー・カレロ)など、裕福な常連客たちが世界的カリスマシェフ、
スローヴィク(レイフ・ファインズ)の豪華ディナーを楽しみにやってくるが…。
オフィシャルサイト
それでもエマニュエルは、父の気が変わることを望みながらも安楽死を支援するスイスの協会に
コンタクトをとり、“最期の日”の準備を進めていく。
『嘘八百』(’18年)、『嘘八百 京町ロワイヤル』
(’20年)に続き、中井貴一と佐々木蔵之介の贅沢な
タッグが実現した、痛快コメディエンターテイメント
映画シリーズの第3弾が登場する。
深刻なテーマだが、ユーモアを交えて描かれる。
駄々っ子のように安楽死を願うアンドレが実にチャーミングで、思わず笑ってしまう。
人生を心から楽しみ、愛しているからこそのアンドレの決断は正直言って、分からなくもない。
やがて訪れる自分自身の“最期”についても深く考えさせられる。
[12月22日アップ]
デジタル時代に抗うかのように、全作35mmフィルムで撮影された映像は
レトロな質感で、古き良き時代の映画の味わいを堪能できる。
ネリーの祖母の家とマリオンの家がそっくりなこと、マリオンと彼女の母親も病気がちなこと、
そしてネリーとマリオンが物憂げなところなど不穏な雰囲気が漂い、ホラーな展開が
起こりそうにも思えるが、本作はれっきとしたファンタジー映画である。
2020年、第73回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション作品。
日本では同年の第21回東京フィルメックスの特別招待作品として上映され、
観客賞を受賞した。
不思議な展開は心温まるラストへ。
母親を失った哀しさと寂しさを味わったネリーとマリオンは母と娘とのかけがえのない絆に気づく。
9月1日より全国ロードショー
心理療法室で何が起こっているのか!?
不穏な雰囲気に包まれた世界観にゾクゾクする
ライター:能登春子
飛行機内で奮闘するのはイ・ビョンホン。
飛行機恐怖症に秘められた悲しい過去を乗り越えて、乗客の命を守るヒーローをアグレッシブに
演じている。野性味あふれるイ・ビョンホンはやはりカッコいい!
11月18日より
ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー
ホセの施術は衝撃的でオカルト的にも見えるが、それは嘘ではなかったことが
証明される。
エンドロールでは実際にホセが施術した写真が公開されているのでお見逃しなく。
アメリカ北西部・太平洋沖の小島に佇む高級レストラン
に11人の招待客が向かう。
連れがいないと入れないのがホーソンの決まり。
この日を待ち望んでいたグルメマニアのライター
(ニコラス・ホルト)は恋人にドタキャンされたことから、
マーゴ(アニャ・テイラー=ジョイ)を誘う。
ライター:能登春子
ブラジルに実在した心霊手術師ホセ・アリゴーの
ミステリアスな半生を驚異の映像で映画化
ブラジルで雑貨店を営んでいたホセ・アリゴーは
1955~71年にかけて、驚異的な施術で病人を
治癒させたという。
[10月23日アップ]
ライター:能登春子
11月3日よりロードショー
それでもジャニスは真実を誰にも告げないことに決め、セシリアを大切に育て続ける。
2作目は『女人、四十。』のアン・ホイ監督が
1960年代の学校を舞台に、教師と生徒たちとの絆を
描いた『校長先生』。
人情味あふれる香港の人々の暮らしを捉えたノスタル
ジックな物語だ。
ライター:能登春子
深く美しい森の中で描かれる
母と娘との優しい絆
真田広之が演じるエルダーは実年齢よりもかなり上の初老役。
ホワイト・デスと対決する為に途中からゆかりに乗って来るのだが、杖を付いている。
この杖が仕込み杖で、斬鉄剣のように良く斬れる。
車内での立ち回りでは、座っていた敵を座席ごと斬っていた。
ある日、古びた心理療法室を訪れた純は、2階の窓に
白いマスクをかぶった少女を見つける。
そこには心理療法室を営む父・司朗(玉木宏)、心に
傷を抱え引きこもる姉・花(南沙良)、そして、
白いマスクをかぶる妹・月(渡辺さくら)が暮らしていた。
ライター:木香圭介
8月19日より全国ロードショー
駅までは行けるのだが、そこから学校へと向かう事が出来なくて
登校拒否になった中学生、シャッター通りの中で唯一店を開けている
主人、そして修道院ではハウを飼っていた元飼い主に会ってしまう。
[8月28日アップ]
[9月11日アップ]
http://kisekinohito.com/#home
数ヵ月後、ジャニスは娘セシリアを育てることが生きがいになっていた。
出産に戸惑っていたアナも娘のアニータがかわいくてたまらない様子だ。
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ところが、別れたアルトゥロがセシリアに会いに来たことから、意外な事実が発覚する。
セシリアのことを「自分の子どもとは思えない」と話したアルトゥロにDNA鑑定を勧められた
ジャニスは最初憤るものの、疑惑を晴らすためにDNA鑑定を行う。
すると鑑定結果は「セシリアは99.999…%、生物学的にジャニスの子どもではない」と出てしまう。
最初に登場するのは1950年代を舞台にした『稽古』。
“カンフー映画のキング”と呼ばれるサモ ・ハン監督が
自身の修業時代のエピソードを基に、厳しいカンフーの
修業に耐える子どもたちの姿をユーモアを交えて
描いている。
9月23日より有楽町ヒューマントラスト
シネマほか全国順次ロードショー
[9月18日アップ]
人が人を傷つける、救いのない現実で生きる若者たちの物語は、自殺のワードが飛び交う
シビアな雰囲気で胸が苦しくなってくる。
生気の無い〈僕〉や、森の死に自分を見失うユウスケなど、絶望の淵をさ迷う若者たちの姿が
リアル過ぎて怖いくらい。北村、中川の静かな熱演は見応えがある。
小説家のエマニュエル(ソフィー・マルソー)は84歳の父
アンドレ(アンドレ・デュソリエ)が倒れたという知らせを
受け、妹のパスカル(ジェラルディール・ペラス)とともに
病院へ向かう。
[2023年1月2日アップ]
脚本は、シリーズ2作を手がけた今井雅子に加え、『百円の恋』(‘14年)の脚本で一躍
脚光を浴びた足立紳が担当。
足立は2023年度後期のNHK連続テレビ小説『ブギウギ』の脚本を手がけることが
発表されるなど、今、乗りに乗っている人気脚本家だ。
密室の飛行機で決行されたバイオテロの恐怖を描く
韓流らしいドラマチックなエンターテイメント巨編
そして、結婚で空虚な心を満たそうとする菜穂を演じた松岡も存在感たっぷりの
演技を見せる。
また、パワハラ上司を演じた忍成の迫真の演技も光る。
エマニュエルを演じるのは、今やフランスの国民的俳優として愛されるソフィー・マルソー。
複雑な感情を抱えながらも、確固たる意志で大好きな父の最期に向き合うエマニュエルを
情感豊かに演じている。
小池則夫はYouTubeで古美術を紹介するチャンネルを運営しているが視聴者数は伸び悩んでいる。
相変わらず冴えない則夫だったが、太閤秀吉の縁起モノと呼ばれ「秀吉七品」の中で唯一所在不明
だった「光り輝くウツワ(鳳凰)」発見か?!というニュースが入り、色めき立つ。
なんと則夫に「大阪秀吉万博」の仕事が舞い込んだのだ。
48歳という若さでで惜しくもこの世を去った世界の歌姫、
ホイットニー・ヒューストンの人生を数々のヒットソング
とともにドラマティックに描き出す。
アンドレにはセザール賞に3度輝いたフランスの重鎮、アンドレ・デュソリエ。
オゾン作品に欠かせないシャーロット・ランブリングもアンドレの妻クロード役で出演。
短い登場シーンながら、深みのある演技でさすがの存在感を見せる。
幻のお宝、鳳凰をめぐり、“TAIKOH”と名乗るカリスマ波動アーティスト(安田章大)を抱える
謎の財団が怪しい動きを見せる。
そして、則夫と佐輔の《骨董コンビ》も、とんでもないことを企てる。
『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』の
ナオミ・アッキーがホイットニー、
『プラダを着た悪魔』のスタンリー・トゥッチが彼女を
支えた音楽プロデューサーのクライヴ・デイヴィスを
演じる。
[12月4日アップ]
安楽死の知られざる実情や、姉妹が憎みアンドレが怖がる男性ジェラールの正体、そして、
本当にアンドレは死んでしまうのか。
さまざまな謎をはらんだストーリーは、ラストシーンまで見応えがある。
その圧倒的な歌声は"THEVOICE"と称され、「歌いたい曲を、自分らしく歌う」ことに
命を燃やしたホイットニーの臨場感たっぷり歌われる数々の名曲に酔いしれて欲しい。
その後、トイレに入った乗客の男性が数時間後、体中から血を吹き出し死亡してしまう。
その頃、地上では、イノらが死体の死因がウイルス性であることを突き止める。
レイフ・ファインズが狂気のシェフを怪演
前代未聞のフルコース・サスペンススリラー
https://www.whitney-movie.jp/
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コロナ禍を経験したことから、ウイルス感染の恐怖はより一層生々しく感じられる。
まさにタイムリーな題材の効果をさらに高めるために、密室の飛行機が舞台に
選ばれている。
そして、ウイルス感染だけではない、空上の密室を生かしたさまざまな恐怖が
描かれる。
その中にはご都合主義な展開もあるのだが、二転三転するジェットコースターのような
展開は韓流ドラマの真骨頂である。
絶海に浮かぶ孤島に建てられた、世界で最も予約の
取れない高級レストラン「ホーソン」でふるまわれる
“究極”のフルコースとは?
美味しく調理されるのは人間たち。
そんな恐怖のディナータイムが幕を開ける。
[11月6日アップ]
ケヴィン・コスナーと共演して大ヒットした映画『ボディガード』への出演エピソードも描かれている。
https://gaga.ne.jp/uso800-3/ 
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他の主な登場人物は、ホイットニーの両親として、母親はシンガー(シシー・ヒューストン役
タマラ・チュニー)で、父親はプロダクションの社長(クラーク・ピータース)、
夫となるボビー・ブラウン(アシュトン・サンダース)、マネージャーのロビン・クロフォード
(ナフェッサ・ウィリアムス)に、音楽プロデューサー・クライヴ・デイヴィス
(スタンリー・トウッチ)。
史上最高の国歌斉唱と語り継がれる第15回スーパーボウルでのアメリカ国家斉唱
シーンや、グラミー賞やアカデミー賞を受賞したパフォーマンスなどを通して、
彼女の人生を映しだす。
一方、妻とのハワイ行きをキャンセルしたベテラン刑事
のク・イノ(ソン・ガンホ)は、不気味な死体を発見し
捜査にあたる。
[11月13日アップ]
飛行恐怖症のジェヒョク(イ・ビョンホン)が娘とともに
ハワイへ向かうため、空港にやってくる。
空港で、ジェヒョクは怪しげな若い男(シム・イワン)と
遭遇する。
https://www.searchlightpictures.jp/movies/themenu
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家族の病気や危険人物とみなされたホセの逮捕など度重なる困難に立ち向かいながら、
ホセは自らの力を与えられた使命と捉え、ただひたすらに治療にあたる。
治療費を一切もらわなかったというホセの真摯な思いが結実するクライマックスシーンは圧巻。
ハリウッドメジャーのパラマウント・ピクチャーズが製作に出資。
大掛かりな群衆シーンなど、見ごたえある映像が実現した。
ブラジルのヒーローを世界に広めたいという気迫に満ちた映画である。
時は経ち、出産を控えて入院中のジャニスは17歳のアナ(ミレナ・スミット)と同室になる。
ともに想定外の妊娠でシングルマザーになる2人は絆を深め、偶然にも同日に女の子を
出産する。
ジャニスの娘は呼吸障害、アナの娘は低血糖の問題でしばらく観察室に入っていたが
無事に回復。
2人は連絡を取り合うことを約束して、娘たちとともに退院する。
香港映画界を代表する7人の監督が手掛けた
7編の短編からなるオムニバス映画。
1950年代~近未来まで、さまざまな時代の
香港を舞台にした個性豊かな作品が揃った。
7人の名手たちの香港への思いが溢れる
ディープで味わい深い香港映画
香港自体や香港映画など、香港への造詣が深くないと正直言って意味が伝わらない作品も
あると思うが、時代や地域を超えたさまざまな香港の姿を純粋に楽しんでみたい。
脚本も手がけたアルモドバル監督は自身のライフワークでもあるスペイン内戦の
悲劇を盛り込み、突然愛する人を失う哀しみを浮かび上がらせる。
3作目は1980年代を舞台にした、ちょっぴりシュールなラブストーリー『別れの夜』
(パトリック・タム監督)、
4作目『回帰』は1990年代、香港で一人暮らす祖父とカナダ育ちの孫娘との交流を温か
く見つめている。監督のユエン・ウーピンは『マトリックス』のアクション監督を務めていた。
フランス映画『燃ゆる女の肖像』(‘19年)の
セリーヌ・シアマ監督が脚本も手がけた
ファンタジー映画。
8歳の少女ネリーが森の中で出会ったのは…?
ライター:木香圭介
9月1日より全国ロードショー
本作では悲惨な現実だけではない希望も描かれる。
アルモドバル監督がジョニスとアナの物語と遺骨発掘のエピソードに込めた意味を
じっくり考えながら、映画を鑑賞してほしい。
5作目はアクション・ノワールの巨匠ジョニー・トー監督による1990年代~2000年の物語で、
投資の相談をする若い男女の姿をコミカルに描いた『ぼろ儲け』。
6作目はハリウッド進出を果たしたリンゴ・ラム監督の『道に迷う』。
タイトル通り、ロンドンから帰ってきた男性が香港の中心部で道に迷う姿を通し、変わりゆく
香港への想いを込めた感動的な物語。
本作はラム監督の遺作となった。
ネリー(ジョセフィーヌ・サンス)は両親とともに、
亡くなった祖母が暮らしていた森の中の家を訪れる。
しかし、ネリーの母マリオン(ニナ・ミュリス)は
自分の母との思い出が残る家にいるのが辛くて、
ネリーに告げずに家を出てしまう。
ブラッド・ピット主演の
何でもありのハチャメチャアクション。
伊坂幸太郎の原作による殺し屋シリーズの
第2作目となる(1作目は『グラスホッパー』)
『マリアビートル』」を、『デッドプール2』の
デビッド・リーチ監督がブラッド・ピット主演で
映画化したクライムアクション。
ブラッド・ピットが『テルマエ・ロマエ』の如く日本のすぐれたトイレに驚くシーンがあったけど、
キャンペーンで来日したスターが日本のトイレを気に入り設備を購入して帰る人が多いそう。
多分、ブラピの自宅にも付いているんだろうね。
© 2002 「この子は邪悪」製作委員会
司朗ら家族は5年前、一家で遊園地に行った帰りに交通事故に遭い、月は顔に大やけどを
負ったためにマスクをかぶっていたのだ。
そして、母の繭子(桜井ユキ)は植物状態で入院中だったが、ある日突然、目を覚まして
家に帰ってくる。
犬童一心監督がメガホンを取った
人と保護犬の絆を描いた感動ドラマ
https://pm-movie.jp/
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そして、最後は“香港のスピルバーグ”とも呼ばれるツイ・ハーク監督の『深い会話』。
近未来に生きる精神科医と患者との会話が複雑にねじれていく不条理コメディである。
母のいない寂しい日常の中、ネリーは森の中で
木の家を作る少女(ガブリエル・サンス)に出会う。
「マリオン」と名乗る少女もまた、森の中の家で母親と
2人で暮らしていた。
共演に『オーシャンズ8』のサンドラ・ブロック、
『キック・アス』シリーズのアーロン・テイラー=
ジョンソン、『ラスト サムライ』の真田広之ら
豪華キャストが集結。
[9月4日アップ]
http://septet-movie.musashino-k.jp/
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おとぎの国のようなフランスの森が放つ癒しの映像も魅力的。
殺伐とした現実世界から抜け出して、無垢な子ども時代へと
しばし戻ってみるのもいいだろう。
ウェービーヘアーが大人っぽくて、かわいい子役のネリーと
マリオンを演じているのは本当の双子の姉妹。
本作で映画デビューを果たした。
いつも事件に巻き込まれてしまう世界一運の悪い殺し屋レディバグ。
そんな彼が請けた新たなミッションは、東京発の[超高速列車ゆかり]内でブリーフケースを
盗んで次の品川駅で降りるという簡単な仕事のはずだった。
盗みは簡単に成功したものの、身に覚えのない9人の殺し屋たちに列車内で次々と命を狙われ、
降りるタイミングを完全に見失ってしまう。
列車はレディバグを乗せたまま、世界最大の犯罪組織のボス、ホワイト・デスが待ち受ける
終着駅の京都へ向かって加速していく。
白いマスクをかぶった少女が映る、この映画のポスター
に興味を引かれる人は多いだろう。
秘密を抱えた人々が織りなすダークなミステリー・
スリラーだ。
主人公は心神喪失の母を抱えた少年・四井純
(大西流星)。
彼は母の病の原因を探るために、母と同じような症状の
人々を見つけて写真に撮っていた。
https://gaga.ne.jp/petitemaman/
オフィシャルサイト
『ザ・ロストシティ』を紹介した際にサンドラ・ブロックが出演しているのを伝えたが、もう1人の
共演者チャニング・テイタムもなんとカメオ出演していて、ゆかりに乗っていた。
今回、ブラッド・ピットが演じるレディバグはピンチヒッターで先に依頼されていた殺し屋が
いるのだが、 こちらも有名な人物が演じるカメオ出演となっている。
https://happinet-phantom.com/konokohajyaaku/index.html
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ワンと鳴けない優しい犬のゴールデンドゥードル(ラブラドールレトリーバーとプードルの
掛け合わせ)が主役のロードムービー。
青森から主人公の住む横浜を目指して移動するハウ(吠えないように声帯除去手術を
されて、ハウとしか聞こえない)が道中で様々な人と出会う。
ハウの優しさが生きる希望を与えてくれる。
ハウの優しい行動や表情に、何度も何度も心が温かくなるでしょう。
ジャニーズのアイドルグループ、なにわ男子の大西流星も、おどろおどろしいドラマの
雰囲気にぴたりとはまり熱演している。
オリジナル作品による企画コンテスト、 PROGRAM FILM 2017」で準グランプリを
受賞した作品の映画化。
監督・脚本は『さよなら、ムッシュ』(‘17年)の小説家としても知られる片岡祥。
市役所職員の赤西民夫(田中)は上司からの勧めにより飼い主に捨てられて保護犬に
なってしまった真っ白な大型犬を飼うことになる。
民夫は人懐っこいこの犬をハウと名付け、民夫とハウは次第に絆を深めていく。
そんなある日、突然ハウが姿を消してしまう。
必死にハウを捜す民夫だったが、ハウは遠く離れた青森の地にいた。
偶然のアクシデントが重なり、青森まで運ばれてしまったハウは、大好きな民夫の声を
追い求め、青森から民夫の待つ横浜まで798キロの道のりを目指す。
ポルトガルで開催されたボルト国際映画祭で審査員スペシャル・メンションを授与された。
https://www.bullettrain-movie.jp/
2022年製作/126分/R15+/日本 原題:Bullet Train
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
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オープニングから登場人物すべてにどことなく暗い影が漂うのは、みんなが秘密を抱えて
いるから。
やがて花と親しくなった純が一家の秘密に気づくが、司朗の催眠療法により、ある変化が起こる。
『ナミヤ雑貨店の奇蹟』『余命1ヶ月の花嫁』
などで知られる脚本家の斉藤ひろしによる原作を
『ジョゼと虎と魚たち』『のぼうの城』などの
犬童一心監督がメガホンをとった、人と保護犬の
絆を描いたドラマ。
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不思議な状況の数々が徐々に結びついていくストーリーはうまくできている。
すべての秘密が明らかになるクライマックスは、奇をてらい過ぎた演出も否めないが、
二転三転する怒涛の展開にただただ驚かされる。
そして、ゾクリとするようなラストシーンもお見逃しなく!
本作のキャンペーンで来日も果たしたブラッド・ピットのキュートな魅力満載の一作となっている。
https://haw-movie.com/
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ミステリアスな女性を演じることの多い桜井ユキに加え、玉木宏も怪しげな心理療法士を
怪演。
これまでの爽やかなイメージを覆す役柄は必見だ。
犬との絆を育む主人公を田中圭が演じるほか、
池田エライザ、野間口徹、渡辺真起子、市川実日子、
石橋蓮司、宮本信子らが脇を固め、石田ゆり子が
ナレーションを担当する。