[9月19日アップ]
ライター:能登春子
copyright 2006 value-fix all rights reserved.
9月23日よりロードショー
添田が求めるのは青柳の謝罪ではなく、花音の無実。
それは娘の名誉のためではなく、添田自身の名誉のために見える。
「子育ての失敗」=「自分の非」。添田の怒りは「自分の非」を隠すためのものだ。
「自分の非」を隠すのは、すなわち「弱さ」を見せて他人に攻撃されたくないから。
自分を“絶対”と信じ、他人を攻撃する人間の典型だ。
猟師の添田(古田新太)は自分の価値観がすべての
人間。
怒りっぽく、攻撃的で、シングルファーザーとして育てる
一人娘・花音(伊東蒼)にもキツく当たっていた。
そんな添田に抑圧されたためか、大人しくて自己主張
できない花音は孤独だった。
ある日、「スーパーアオヤギ」で、店長の青柳(松坂桃李)からマニキュアを万引きした疑いを
かけられた花音はとっさに逃げ出すが、万引き被害に苦しめられていた青柳は花音を追い続ける。
すると、追いつかれそうになった花音が道路に飛び出し車にひかれて死亡してしまう。
古田の演じる添田は狂気的で恐ろしいが、現実には彼ほどではないにせよ、根底に添田の
ような気質がある人は多いのではないだろうか。
ほかにも、さしたる目標もなく人生後ろ向きに生きてきた青柳や、強い正義感が押し付け
がましいスーパーの女店員(寺島しのぶ)など、リアル過ぎるキャラクターたちに考えらせられる
ことがたくさんある。
オフィシャルサイト
CINEMAライター 能登春子木香圭介/宮島一美/石倉ことこ
また、青柳を追い詰めるのは添田だけではない。「他者を理解する心」を持たない人々が
横行する「空虚」な現代社会が生んだ悲劇は、決して絵空事とは思えないはずだ。
https://kuhaku-movie.com/
シネマプレイスがお届けするおすすめ映画レビューは独自の視点で新作映画をご紹介しています
現職政治家たちの不正に迫った『新聞記者』(‘19年)、
実際に起きた祖父母殺人事件に着想を得た
『MOTHER』(‘20年)など、衝撃的な社会派ドラマを
手掛ける映画会社スターサンズが再び問題作を放つ。
© 2021「空白」製作委員会
他者への理解が希薄な現代社会に問う問題作
古田新太が狂気の父親に魂を吹き込む
シネマプレイスはあんか通販とともに、楽しい情報をお届けいたします。
この“事故”はTVワイドショーの恰好のネタとなり、原因の一つとなった青柳の元へマスコミが
殺到する。
世間で青柳の行為の是非が議論されるなか添田が動き出す。
花音を失った悲しみは、万引きの疑いをかけた青柳への怒りへと変わり、店での“真実”を聞き出す
ために執拗に青柳を追い詰めていく。
タイトルの『空白』には深い意味がある。花音と青柳との店でのやり取りがクライマックスまで
明かされず、「空白」の時間として観る者の興味を持たせる。


『ヒメアノ~ル』(’16年)、『愛しのアイリ―ン』
(‘18年)の吉田恵輔監督がオリジナル脚本を
手がけた本作は、ある女子高生の衝撃的な死を発端に、
さまざまな性格、境遇、立場の人々が絡み合い、救いの
見えない悲惨な物語が展開する。
掲載リスト
 空白
 スイング・ステート
科捜研の女 -劇場版-
 白頭山大噴火
 ドライブ・マイ・カー
 すべてが変わった日
 キネマの神様
 イン・ザ・ハイツ
 唐人街探偵
 17歳の瞳に映る世界
 プロミシング・ヤング・ウーマン
 ザ・ファブル
 漁港の肉子ちゃん
 グリーンランド
 明日の食卓
ライター:能登春子
9月17日よりロードショー
田舎町の町長選がなぜか大統領選の様相に
アメリカ政治の舞台裏を皮肉る痛快コメディ
アメリカの大統領選で勝つには、いかに多くの州の支持
を取り付けるかが重要だ。
中でも「激戦州(スイング・ステート)」と呼ばれる、
民主党と共和党の支持率が拮抗し勝利政党が選挙の
度に変動する州を制する候補者が勝利へ大きく近づく。
2016年、ドナルド・トランプ候補率いる共和党が大統領選
を制した“衝撃的”な結果を踏まえて創作された本作は、
激戦州をめぐる選挙参謀たちの熾烈な駆け引きをコミカル
に描いた選挙エンターテイメント・コメディ。
政治風刺とユーモアたっぷりに、アメリカ政治の舞台裏を
明らかにする。
ライター:能登春子
9月3日より公開
人気テレビドラマシリーズの面白さは健在
緻密な科学捜査の醍醐味を堪能できる
[9月4日アップ]
また、警視庁に勤めるマリコの元夫・倉橋(渡辺いっけい)まで巻き込んだ人間関係の妙は
長年のファンならたまらないだろう。
20年以上かけて成長したキャラクターたちが堂々のスクリーンデビューを飾った。
解決策は白頭山の地下坑道で人工的な爆発を起こして、マグマ溜まりの圧力を下げること。
だが、それには核兵器が必要だった。しかも、カンの調査では4次爆発までのタイムリミットは
76時間。
韓国大統領府はカンの計画した成功率わずか3%の極秘ミッションに望みをかけ、2つの
特殊チームを組織する。
その中には除隊直前だったチョ・インチャン大尉(ハ・ジョンウ)もいた。
村上春樹の同名短編小説を映画化した本作も深い悲しみ
を秘めながら生きる主人公が、さまざまな境遇の人々との
出会いを通して再生する姿をゆったりとしたテンポで
描いていく。
2016年、民主党の選挙参謀ゲイリー・ジマー(スティーブ・カレル)はヒラリー・クリントン候補の
敗北に打ちのめされていたが、ウィスコンシン州の小さな町役場で不法移民のために立ち上がる
退役軍人ジャック・ヘイスティングス大佐(クリス・クーパー)のバズっているYouTubeを見つける。
そして、彼こそが中西部の農村で民主党の票を取り戻す秘策になると確信。
激戦州のウィスコンシン州を足掛かりに地盤を広げるため、大佐に民主党から町長選への出馬を
要請する。
科学捜査で殺人事件のトリックを解明する犯罪ミステリー
ドラマ『科捜研の女』。
20年以上続く、人気テレビドラマシリーズがついに映画化
された。
ライター:能登春子
8月27日よりロードショー
[8月22日アップ]
さて、民主党と共和党の勝敗の行方はいかに? 予想を超える痛快な結末に
こうご期待。
[9月12日アップ]
のどかな町の選挙だからこそ鮮明に見えてくる選挙ビジネスの様相。
監督・脚本・製作を務めるジョン・スチュワートはアメリカの人気パロディ・ニュース番組
『ザ・デイリー・ショー』の元名物キャスター。
切れ味鋭い政治風刺でもならしたスチュワートの経験や、アメリカで起こった
実際の出来事から得たアメリカ政治の欠陥をずはりと指摘する。
すると、対立候補の現職町長ブラウンに共和党がトランプの選挙参謀フェイス・ブルースター
(ローズ・バーン)を送り込む。
かくして、寂れた町ティアケランの町長選は大統領選を戦ったエリート参謀たちの介入で全米が
注目する選挙となる。
重度の“科学捜査オタク”の法医担当・榊マリコ(沢口
靖子)と彼女を取り巻くお馴染みの面々が、世界を
またにかけた不審な科学者転落事件の真相に迫る本作
は、長年のファンだけでなく初めて観てもとても楽しめる
作品となっている。
大災害、北朝鮮、核兵器…、さまざまな脅威が
迫りくる韓流ならではの圧巻のアクション
イ・ビョンボンに加え、『チェイサー』(’08年)のハ・ジョンウ、『悪人伝』(’19年)の
マ・ドンソクという韓国映画界を牽引する3大スターが競演。
さらに『神と共に』シリーズで革新的な映像技術を見せつけた韓国のデクスタースタジオが
壮絶な災害シーンを実現するなど、韓国最高のスタッフとキャストが集結している。
© 2021「ドライブ・マイ・カー」製作委員会
ベテラン俳優たちが存在感たっぷり。
家族愛と人間の狂気を描く異色のサイコスリラー
そんな音を大切に思う家福がある日、音のショッキングな秘密を知ってしまう。
だが、その真意を聞き出せず、悶々とするなかで音が急逝してしまう。
俳優・監督としてハリウッド映画界を席巻してきたケビン・
コスナーと、いつまでも美しくてセクシーなダイアン・レイン。
1980年代から第一線で活躍するトップスターが異色の
サイコスリラーを作り上げた。
[8月1日アップ]
とはいえ、御年66歳になっても相変わらずカッコいいケビン・コスナーと、勇敢なマーガレットを
熱演したダイアン・レインら、ベテラン俳優が安定感のある演技で異色のサイコスリラーを
引き締めている。
そんなダメダメな偏屈老人・ゴウが、かつて自身が書いた映画脚本『キネマの神様』を蘇らせる
ことで人生に希望を取り戻す姿が描かれます。
熱い思いを悪事で隠す“憎みくれないろくでなし”とも言うべきゴウは「志村さんにぴったり!」と
思わざるを得ません。
本当に惜しまれますが、志村さんの面影を背負って役を引き受けた沢田研二も深みのある演技を
見せています。
ライター:能登春子
7月30日よりロードショー
移民たちのラテンパワーがみなぎる!
前向きな気持になれるミュージカル映画
包容力のある西島秀俊、陰のある三浦透子、妖艶な霧島れいか、そして物語のキーパーソン
となる自由奔放な若手俳優・高槻を演じた岡田将生など、熱烈なファンの多い村上ワールドの
キャラクターたちを全身全霊で演じたかような俳優たちの静かな熱演も光る。
胸騒ぎを覚えたマーガレットはローナとジミーを取り戻すためにドニーの実家へ向かう決意をする。
ジョージは反対するが、マーガレットを説得できず一緒にノースダコタ州へ向かう。
資産家や富豪たちからの資金集め、大掛かりなテレビCMの投入、ネガティヴCMによる攻撃、
スキャンダルの暴露…、小さな田舎町の町長選は選挙参謀たちがヒートアップし、大統領選
さながらの大金と“黒い”駆け引きが横行するものに。
韓国映画では類を見ない壮大なスケールの
デザスター・アクション映画が公開される。
京都の洛北医科大学の法医学教授で解剖医の風丘
早月(若村麻由美)が夜遅くまで大学の研究室に
いたところ、かすかに「助けて」という声を聞く。
何事かと窓を見た早月の目の前を女性科学者が落下し、
死亡する。
©2021「科捜研の女 ―劇場版―」製作委員会
朝鮮半島と中国との国境にそびえる白頭山
(ペクトゥサン)は朝鮮半島で最も高い活火山であり、
近年、再び噴火の危険性が警告されているという。
捜査一課の土門刑事(内藤剛史)や榊マリコら科捜研のスタッフたちが現場に駆け付け、
捜査を開始する。
屋上に争った形跡はなく自殺が疑われたが、土門が女性科学者と会ったと思われる男性科学者を
追跡したところ、男性科学者が突然建物から飛び降りて死亡しまう。
そして、ロンドンやトロントでも科学者の不審な転落死が続く
ひとたび噴火すれば、朝鮮半島を壊滅させてしまう
ほどの威力を持つという恐るべき白頭山を舞台に、
2つの国に分断された朝鮮半島ならではの事情を
からめたサスペンスフルなドラマが展開する。
https://kasouken-movie.com/
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核兵器の調達には韓国府のスパイである北の工作員リ・ジュンピョン(イ・ビョンホン)の協力が
不可欠だった。
インチャンは現在、北の収容所に収監されているジュンピョンを探し出すが、不敵な笑みを浮かべ
謎めいた行動をとるジュンピョンに翻弄されてしまう。
物語冒頭、舞台俳優・劇作家として活躍する家福(西島
秀俊)と脚本家の妻・音(霧島れいか)との満ち足りた
生活が描かれる。
激しい営みを交わした家福と音はその後、音の語る謎めいた
寝物語を聞きながら幸せそうに余韻に浸る。
また、愛車のサーブで仕事場へ向かう家福は、車中で音の
吹き込んだセリフに合わせて芝居のけいこをするのが習慣だ。
ライター:能登春子
8月6日より公開
[8月8日アップ]
邪悪な家族から愛するジミーやローナを救う夫婦の奮闘が描かれるのだが、トニー一家の
サイコぶりが突飛過ぎて、B級ホラーの感がぬぐえない。
第74回カンヌ国際映画祭で日本映画初の脚本賞に輝いた。
元祖韓流四天王のイ・ビョンホンがクールでワイルドな持ち味を発揮し、ミステリアスなキーパーソン
を熱演している。
『40歳の童貞男』(05年)の“コメディ・キング”スティーブ・カレルはかつて
『ザ・デイリー・ショー』の特派員でブレイクのきっかけを掴んだ。
旧知の仲のスチュワートとの再共演、そして久々のコメディ映画主演作でもあり、持ち前の
おとぼけぶりにも磨きがかかっている。
おっとりとした印象のマリコが科学捜査のことになるとがぜん熱が入り、あっと驚く発見をして
事件を解決してしまう。
そんなマイペースで、ちょっぴり天然気質のマリコに好感が持てる。
いつまでも清楚で控えめな印象の女優・沢口靖子ならではのキャラクターだ。
8月20日より公開
[8月15日アップ]
https://swingstate-movie.com/
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白頭山で観測史上最大の噴火が起こり、マグニチュード7.8の地震が朝鮮半島を
揺らす。
韓国の首都ソウルでも、ビルの倒壊や道路の陥没など甚大な被害に見舞われる。
ライター:能登春子
〈未知の細菌〉を研究する謎めいた天才科学者・加賀(佐々木蔵之介)が絡む事件は
二転三転し、あっと驚くトリックもある。
科学の知識が必要な本格ミステリーはなかなかスリル満点だ。
村上春樹の小説世界を完全再現
喪失感からの再生を丁寧に描く
元々、大部分を韓国・釜山で撮影することになっていたが、コロナ禍のために国内での
撮影に変更。
多面性を持つ広島の街並みや、クライマックスの舞台となる北海道の大雪原など、
キャラクターの心の機微を表現したかのような雄弁なロケーションも見どころだ。
3年後、ローナがドニー・ウィボーイ(ウィル・ブリデン)という若者と再婚することになり、
ジョージらは離れがたく思いながらも祝福する。
エンターテイメント業界も“不要不急”という解釈の下、
映画や舞台、コンサートなど、人を集めた興業が完全に
中止になり苦況に立たされました。
ある日、マーガレットは街中でドニーがローナに暴力をふるい、ジミーにも冷たくあたっているのを
目撃する。
心配したマーガレットはローナたちの家に様子を見に行くが、3人はすでにドニーのノースダコタ州
の実家へ引っ越したという。
本作もコロナ禍で大きな影響を受けた作品の一つと
言えるでしょう。
既にクラインクインしていた撮影は中止になり、公開は
当然、延期されました。
そして何より、ダブル主演の1人だった志村けんさんが
新型コロナウイルス感染により、急逝してしまいました。
韓国大統領府は米プリンストン大学で教鞭をとる地質学者カン・ボンネ(マ・ドンソク)に
協力を要請し、この先に起こる4次被害を阻止しようとする。
村上春樹の小説の魅力は、ままならない不条理な世の中
で戸惑い、苦悩しながらも自分らしい生き方を見い出す
人々の姿を描き、さりげなく人生に希望を抱かせてくれる
ところではないだろうか。
https://paektusan-movie.com/
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しかし、主催者側の提案でテストドライブの末、運転技術に長けた若い女性・みさき(三浦透子)に
運転を任せることにする。
リアルとファンタジーが交錯した不思議な村上ワールドの映像化に挑んだのは、『寝ても覚めても』
の若き俊英・濱口竜介監督。
喪失感にさいなまれる家福の心を癒す道程を丁寧に描き、上映時間2時間59分の長尺となったが、
どこへ物語が飛んでいくか分からない浮遊感はまさに小説の世界そのもの。
小説ではなく、映像のページをめくっているような不思議な感覚に素直に身をゆだねるのも悪くない。
1963年、モンタナ州の牧場。
元保安官のジョージ(ケビン・コスナー)と妻のマーガレット
(ダイアン・レイン)は、息子のジェームズ(ライアン・
ブルース)と彼の妻ローナ(ケイリー・カーナー)、
生まれたばかりの孫ジミーとともに穏やかな日々を送って
いた。
いつの時代も映画は希望の光
山田洋二監督の映画への熱い思いが滲む
昨年、2020年に全世界で突如発生した新型コロナ
ウイルスの脅威は、多くの人々の人生に少なからぬ
影響を与えました。
生活や仕事環境が激変し、本当に悲しいことなのですが、
命を奪われてしまった方もいます。
© 2020 Focus Features LLC. All Rights Reserved.
ところがジェームズが落馬事故で急死したことから
幸せな日々が一転する。
https://dmc.bitters.co.jp/
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怪しげなトニーの消息はなかなかつかめず、終始、不穏な雰囲気が立ち込める。
やっと見つけたトニーの親類(この人もまた不気味)を辿り、向かったトニーの実家。
そこは、閉鎖的な西部が生み出した“怪物”一家とも言うべき、恐るべき人々が暮らしていた。
© 2021「キネマの神様」製作委員会
コントを愛する志村さんはコメディアンの矜持を貫き俳優業をほぼ断り続けていたものの、
山田洋二監督の熱いオファーを受け、映画初主演を決めたそうです。
役柄は、過去の痛みを抱えた元映画監督助手の老人・ゴウ。
映画への思いが強すぎたことが災いし、映画界を去ってしまったゴウは、無類のギャンブル好きで
常に借金を抱え、妻・淑子(宮本信子)や娘・歩(寺島しのぶ)に迷惑をかけてばかりの人生を
送っていました。
バンコク、ニューヨークと国際的に事件を解決してきた中国の探偵コンビ、チン・フォン(リウ・
ハラオン)と彼の叔父のタン・レン(ワン・バオチャン)は日本の探偵・野田(妻夫木聡)の
依頼を受け、東京へやってくる。
大都会ニューヨークで見つけた救いと希望
辛くても心豊かな少女たちのロードムービー
ペンシルべニアからニューヨークへ。
17歳の少女2人が決死の旅に出る――。
パワフルな街ニューヨークで力強く生きる移民たちの姿は清々しく、前向きな気持ちに
させてくれるだろう。
暗く憂鬱な現実を吹き飛ばすのには、持ってこいの作品だ。
今回のミッションは東南アジアのマフィアの会長が密室で殺された事件で、会長と2人きりで
会食していたことから逮捕されたヤクザの組長・渡辺(三浦友和)の冤罪を証明すること。
3人の探偵たちが重要な目撃者である会長の秘書・小林(長沢まさみ)の案内で、事件現場を
捜索していると、事件解決率100%のエリート警視正・田中(浅野忠信)が現れ、3人に捜査を
しないよう警告する。
今年のベルリン国際映画祭で銀熊賞に輝くなど、
世界中の映画祭で数々の賞を受賞した話題作。
困難に直面した少女たちの瞳に映る世界を、じっくり
見つめてみたい。
[7月24日アップ]
自然災害の恐怖のほかにも、北朝鮮やアメリカ軍まで巻き込んだ軍事国家ならでは
の脅威を反映したストーリーはスリリングで重苦しくも映るが、ド派手なアクションは
見応え満点だ。
2年後、家福はサーブで広島へ向かっていた。
彼は広島の演劇祭で上演する『ワーニャ伯父さん』の演出を依頼され、数日間、滞在することに
なっていた。
愛する家族を救いだそうとする熟練夫婦が、とんでもない
恐怖に巻き込まれていく…。
3人の男たちの人生がさりげなく交錯する人間ドラマも盛り込まれており、ドラマ
メイキングに長けた韓流らしいアクション映画に仕上がっている。
本作の見どころは、ゴウの過去を解き明かす形で描かれる約50年前の昭和の映画撮影所を
再現したシーン。
自分の脚本で監督することを夢見る若き日のゴウ(菅田将暉)の希望に満ちた、活気ある
日々が描かれます。
ライター:能登春子
7月9日より公開
そんな大都会ニューヨークの片隅で、逆境にめげず
自分らしい生き方を模索する移民の若者たちの姿を追った
傑作ミュージカルが映画化された。
けいこ場から離れたホテルに滞在する家福には専属ドライバーが付くことになっていたが、家福は
これを拒否する。古いサーブは扱いにくい上、車中ではまだ音の音声テープを聞くのが習慣だった
からだ。
ライター:能登春子
8月6日よりロードショー
https://subetegakawattahi.com/
オフィシャルサイト
原田マハの同名原作を山田洋二監督が脚色した本作には、監督自身の映画への熱い思いが
溢れています。
ニューヨークのマンハッタン北部に実在する地区ワシントン・
ハイツはドミニカやプエルトリコなど、ヒスパニック系の
移民たちが暮らすコミュニティとして知られている。
実際に製作したという渋谷のスクランブル交差点のセットを舞台にしたアクションシーンに
映画が1本製作できるほどの制作費をつぎ込んだのを始め、道路を完全封鎖して撮影された
ド派手なカーアクションや、相撲や剣道を取り入れた乱闘シーンなど多彩でスケールの大きな
アクションシーンが見どころとなっている。
ある日、オータムは自分の身体の異変に気付く。
なんと、望まぬ妊娠をしていたのだ。
ポップでクール。だけど相当怖い!
有能な女性による知的で痛快な復讐劇
[7月18日アップ]
https://detectivechinatown-movie.asmik-ace.co.jp
オフィシャルサイト
そして、2人を取り巻く大人たちの姿も印象的に描かれる。
絶望の淵にいたオータムの心に寄り添うのは母親や医療機関のスタッフら女性たち。
一方、少女たちを傷つけるのは弱い立場の女性に付け込む男たちだ。
真夜中のクラブで、だらしなく酔った女性をサラリーマン風
の男性客が言葉巧みに誘い、自宅へ“お持ち帰り”をする。
いざ男性が性的な行為に及ぼうとした瞬間、女性はカッと
目を見開き男性が一生後悔するような方法で鉄槌を下す…!
どんな相手でも6秒以内に仕留めることから、裏社会で
恐れられる伝説の殺し屋、“ファブル”(=寓話)の活躍
を描き、大ヒットを記録したアクションエンターテイメント
映画の第2弾。
描かれているのは、まさしく〈命の選別〉。
アラートの鳴らなかった近隣の家族たちは狂乱し、基地へ向かおうとするジョンたちと一触即発の
事態に。
住民たちの冷たい視線を振り切り空軍基地へ辿り着いたジョンら家族はネイサンのぜんそくの薬
を紛失したことが原因で離れ離れになってしまい、〈選別されなかった人々〉によって追い詰め
られることになる。
神奈川在住の43歳のフリーライター・石橋留美子(菅野
美穂)はやんちゃ盛りの2人の息子に手を焼く毎日。
10歳の悠宇は反抗的で幼い弟とケンカばかり。
フリーカメラマンの夫・豊(和田聰宏)は家庭を留美子に
任せきりだ。
そんなストレスのたまる日常を、留美子はブログ「鬼ハハ
&アホ男児Diary」』に綴り、せめてもの息抜きをしていた。
ストーリー、キャラクター造詣、映像すべてが心に残る良作となったが、
その理由は世の中にはびこる常識や偏見を捨て、〈楽しいものを届けたい〉
というシンプルな思いで作品を育てた明石家さんまの無垢なプロデュース力
が大きいのではないだろうか。
ジョンが招待客の食材を買うためスーパーマーケットにいると携帯電話に〈緊急大統領アラート〉
がかかってくる。
そして、ジョンの自宅のテレビにも〈緊急大統領アラート〉が映し出され、ジョンの一家が「緊急
避難人員に選別された」ことを知らせる。
子育てを通して見えてくる人間の光と闇
誰にでも、どこか思い当たるリアルなドラマは必見
「息子を殺したのは、私ですか――」。ドキッとするような
キャッチコピーの付いた本作は、“石橋ユウ”という
同姓同名の10歳の男の子を持つ3人の母親と家族を
めぐる物語。
https://wwws.warnerbros.co.jp/intheheights-movie.jp/
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ハート柄のシャツを着こなす、とぼけたおじさん探偵レンがコメディリリーフとなり、ユーモア
たっぷりにストーリーが展開していく。
日中のハーフという設定の妻夫木聡も柄オン柄のユニークな衣装に身を包み、3枚目を
活き活きと演じている。
ペンシルべニア州の小さな町に住む17歳の少女オータム
(シドニー・フラニガン)は憂鬱な日々を送っていた。
オータムにとって義父と母、妹2人で暮らす家も、彼女に
「メス犬」と悪態をつく男子生徒がいる学校も居心地が悪い。
ライター:能登春子
7月16日より公開
[6月27日アップ]
ストーリーは原作コミックではファンから「一番泣けるエピソード」として人気の“宇津帆(ウツボ)
編”を映画化。
安全な街づくりを目指すNPO法人の代表、宇津帆(堤真一)は実は過保護に育てられた金持ちの
子どもを探り当て、親から金を脅し取っては子どもを消すという冷徹な犯罪者だった。
本作を観て〈プロデューサー〉という仕事の重要さを
実感した。
プロデューサーのセンスや意向、作品にかける思いで、
同じ題材でも幾通りもの作品が生まれる。
ダブル主演の1人、菅田将暉のほかにも、食堂の看板娘で撮影所に出入りする若き淑子
(永野芽郁)や、人気女優の桂園子(北川景子)、ゴウの師匠の映画監督・出水(リリー・
フランキー)など、現代の人気者たちが古き良き昭和の映画の住人になり切っています。
映画は、南の島のような穏やかな海辺でドミニカ人の青年
ウスナビ(アンソニー・ラモス)が子どもたちに彼が経験した
ワシントン・ハイツでの出来事を語り聞かせているシーンで
幕を開ける。
世界をまたにかける探偵たちが東京で大暴れ
とびきり楽しい中国の超人気アクションシリーズ
世界各国のチャイナタウン(唐人街)を舞台に、
凸凹探偵コンビが活躍する中国発の人気アクション
エンターテイメント映画。
シリーズ3作目にして東京が舞台とな るため、
初めて日本で公開される。
2人の女優陣は、昭和の映画特有の早口で滑舌の良い俳優たちの語り口を見事に再現。
さらに、整った顔立ちで気風のいい北川景子はその持ち味を発揮し、往年の銀幕スターを
貫禄たっぷりに演じています。
ウスナビはワシントン・ハイツで食料雑貨店を営み、育ての
親にしてハイツの名物おばあちゃんのアブエラ・クラウディア
(オルガ・メレディス)の世話をする一方で、両親の祖国
ドミニカ共和国に戻り、悠々自適な暮らしを夢見ていた。
なお、本作の公式サイトも見どころの一つです。
トップ画面にはバラ色のスクリーンの中で微笑む志村けんさんのイラストが
掲載されています。
その穏やかで楽しそうな笑顔に胸が熱くなります。
“いつの時代にも映画は希望の光”。そんな温かく、優しいメッセージが伝わってきます。
そして、美容室で働くバネッサ(メリッサ・バネラ)はファッション界で活躍することを夢見ていた。
ほかにも、ウスナビのいとこで不法移民のソニー(グレゴリー・ディアス四世)、美容室を経営する
LGBTQカップルのダニエラ(ダフネ・ルービン=ベガ)やカルラ(ステファニー・ベアトリス)など、
困難に直面するキャラクターたちがさまざまな悩める思いをヒップホップやラテン音楽のリズムに
乗せて歌い踊る。
横浜・中華街、新宿・歌舞伎町、秋葉原・電気街など、
日本各地の観光名所を舞台に、とびきり陽気で
パワフルな探偵たちの活躍が描かれる。
少女たちが見せてくれるのは、いつの時代、どの国にも通じる普遍的な物語。
抑圧された女性たちが自由な未来へ向かう姿を真摯に捉えている。
© 2020 Focus Features, L.L.C.
[7月4日アップ]
https://movies.shochiku.co.jp/kinema-kamisama/
オフィシャルサイト
実際にワシントン・ハイツと周辺のストリートを大胆に使ったミュージカルシーンがクールで
エキサイティング!
マイノリティたちの自由や夢を追い求める魂の叫びが激しく胸に響いてくる。
© WANDA MEDIA CO., LTD. AS ONE
PICTURES(BEIJING)CO., LDT. CHINA FILM
CO., LTD. “DETECTIVE CHINATOWN3”
ライター:能登春子
7月16日より公開
そして、大停電の起こった夏の夜の経験を経て、ワシントン・ハイツの人々はそれぞれの道へ歩き始める。
松竹映画100周年記念の本作は「映画が果たしてきた役割に光を当てている」と言えるでしょう。
昭和30年~40年代は、一番の娯楽として戦後復興をめざす人々に勇気と希望を与えてきた
日本映画。
それは今なお、続きます。コロナ禍に苦しむ現代の人々にも…。
ウスナビの幼なじみニーナ(レスリー・グレイス)は名門大学へ進学したハイツの期待の星だった。
だが、夏休みで帰省したニーナは、父親のケビン(ジミー・スミッツ)に学費が滞納されていることを
言えないでいた。
主人公の探偵コンビに扮するのは中国のスター俳優
ワン・バオチャンと、注目の若手俳優リウ・ハラオン。
2作目から出演している妻夫木聡のほか、浅野忠信、
長沢まさみ、染谷将太、鈴木保奈美、三浦友和ら、
日本人キャストも豪華な顔ぶれがそろった。
医者を目指した有能な女性がハマったのは若気の至りが生み出した甘い罠。
女性が弱者である世界は絶対に根絶しなければいけないと、本作を観ると心から思う。
一方、ボス(佐藤浩市)から「人を殺さず“普通”に生きろ」と厳命されたファブルは、“佐藤アキラ”
としてデザイン会社【オクトパス】で時給900円のアルバイトをしていた。
本作は誰もが認める日本の“お笑い界”のトップスター、
明石家さんまが企画・プロデュースを務めたアニメー
ション映画。
直木賞作家・西加奈子の同名小説に感動した明石家
さんまが映像化を熱望、自ら西加奈子にオファーし、
5年の歳月をかけて作り上げられたというが、あまりに
素敵な作品なので正直、驚いた。
さらに作品を盛り上げるのは、キクコの声を演じたCocomi。
声優は初挑戦だが、アニメが好きで実は学生時代に声優スクールに通ったことがあるという。
甘く透明感のある声は心地よく、複雑な境遇から不安な気持ちを抱えるキクコの心境を巧みに
表現している。
明石家さんまはCocomiの等身大の姿と実力を出す機会を与えた。プロデュース力の大切さを
さらに感じた。
逃げ惑い、パニックになる人々の姿に主眼をおいた
正真正銘の〈パニック映画〉。彗星の脅威よりも恐ろしい
人間の本性が暴き出される。
ほかにも『鬼滅の刃』の花江夏樹や、マツコ・デラックス、宮迫博之など話題の人物が声優を
務めている。
製作陣は、脚本にドラマ『凪のお暇』の大島里美、監督に『ドラえもん のび太の恐竜2006』
(’06年)の渡辺歩、アニメーション制作には『映画 えんとつ町のプペル』(’20年)を手がけた
STUDIO4℃。など、実力派が名を連ねる。
建築技師のジョン・ギャリティ(ジェラルド・バトラー)は別居中の妻アリソン(モリーナ・バッカリン)
と最愛の息子ネイサン(ロジャー・デイル・フロイド)が住む自宅へ久しぶりに帰るー。
最も地球に接近するという無数の彗星群“クラーク”のテレビ中継を近隣の家族たちを招いて
観るためだった。
ライター:能登春子
5月28日より公開
みんな〈子どもを一番に思っている〉母親たちだが、その思いを子どもたちが正しく
受け止めてくれるとは限らない。
無条件に慕い合うはずの母と子どもの思いがすれ違ってしまうのはなぜなのだろうか?
ただ、一つ言えるのは、貧困や介護など大人が作り出した社会問題、そして、何より
夫婦の関係が子どもたちに大きな影響を与えているということだ。
© 2020 STX FINANCING, L.L.C. ALL RIGHTS RESERVED.
[5月23日アップ]
終始、不愛想で物憂げなオータムを演じるのは本作で映画デビューを飾った
シドニー・フラニガン。
孤独で反抗的になったのは独立心が強いからではないか。
そんな意思の強さを感じさせるオータム像に仕上げた。
まるでホラーのような幕開けだが、謎めいた女性の正体は29歳の独身女性キャシー(キャリー・
マリガン)。
瀟洒な家に両親と暮らしているが、不愛想なキャシーを両親は持て余している。
コーヒーショップで働いているが、やる気はまったくなく客ににらみを利かせる始末。
そんな“アブナイ”女性キャシーは夜な夜なバーやクラブへ繰り出しては、酔った女性には何を
してもいいと考える男たちへの復讐を続けていた。
第1作で華麗なアクションを見せたV6の岡田准一が、
超一級の殺し屋でありながらピュアで寡黙なファブルを
静かに、そして熱く演じている。
映画冒頭、裏社会に生きる5人の男たちが次々に殺されて
いく衝撃的なシーンで幕を開ける。
中でも、ショッピングモールの駐車場で繰り広げられた
カーアクションには度肝を抜かれる。
運転席で死んだ男がアクセルを踏んでしまい、車が暴走
してしまう。
しかし車中で涙を流す少女、ヒナコ(平手友梨奈)が
いたことから、暴走する車から彼女を救出するという
手に汗握るアクションが繰り広げられる。
ライター:能登春子
6月11日より公開
[6月6日アップ]
肉子ちゃんの声を演じるのは大竹しのぶ。元夫婦がタッグを組むのも本作の楽しみの一つだが、
最高の配役となった。
自由奔放な肉子ちゃんを生き生きと演じており、大竹しのぶだとはまったく分からない声での
“怪演”は必聴に値する。
これまでハリウッドではさまざまなタイプの災害が地球
を襲うデザスター・パニック映画が製作されてきたが、
巨大彗星の恐怖を描いた本作は科学者や専門家が
災害を止めるために奮闘するヒロイックな物語ではない。
中国映画ならではの賑やかではちゃめちゃな展開だが、密室殺人をめぐる推理劇はしっかりと
練られている。
事件の背後にいる謎の黒幕「Q」の存在など、怪しげなキャラクターが次回作への興味を
持たせる。
シリーズ4作目はロンドンが舞台のようだ。
© 2020 FOCUS FEATURES L.L.C.
孤独なオータムはたった1人で対処しようとするが、アルバイト先のスーパーでつわりに襲われ、
いとこで唯一の友人スカイラー(タリア・ライダー)に気づかれてしまう。
心配したスカイラーはオータムのために、ある決断をする。
ハリウッド女優のエメラルド・フェネルが脚本を書き
長編映画監督デビューを飾った本作は、本年度の
米アカデミー賞で作品賞を含む5部門にノミネート
されたのを筆頭に高い評価を受けている。
[6月13日アップ]
映画の中のカラフルな世界とは打って変わって、まだまだ我慢を強いられる
現在の東京。
全世界オープニング興行収入の歴代ナンバー1を記録した超大型エンター
テイメ ント作品で、思い切りストレスを発散してほしい。
明け方、2人はニューヨークへ向かう長距離バスに乗り込む。
目的地はブルックリンのヘルスセンター。オータムの中絶のためだ。
「17歳の中絶」という重いテーマを通して描かれるのは、多感な少女たちの絆と勇気。
お金も土地勘も中絶の知識もない。
まさに無力の少女たちは思い通りに行かない状況に戸惑いながらも、互いの心に寄り添い
手を取り合い、困難に立ち向かっていく。
製作に名乗りを上げたマーゴット・ロビーや“アブナイ”
女性主人公を体当たりで演じたキャリー・マリガンら
ハリウッドで着実にキャリアを重ねる女優たちが
作り上げたのは、「前途有望な(プロミシング)
若い女性」の復讐劇。
ポップで怖い独創的なストーリーに度肝を抜かれる。
ライター:能登春子
6月18日より公開
共演には、最狂の男、宇津帆を不気味に演じた堤のほか、宇津帆の仲間でミステリアスな殺し屋・
鈴木に安藤政信、ストーリーのキーパーソンとなるヒナコに平手友梨奈。
© 「漁港の肉子ちゃん」製作委員会
それにより、家にいた誰もが彗星の落下が恐ろしい事態を招くことを察知しパニックになってしまう。
[5月30日アップ]
孤高の殺し屋ファブルのダイナミックなアクション
やシュールなおとぼけぶりが楽しい超ド級の日本
映画
https://pyw-movie.com/
オフィシャルサイト
宇津帆は4年前にファブルが殺すはずだった6人目のターゲット。
そして、今、宇津帆が狙うのは【オクトパス】の社員。こうして、2人は再び対決することになる。
朴訥としたアキラと精悍なファブル、
静と動という2面性のあるキャラクターに息を吹き込んだ岡田准一が大奮闘している。
危険なアクションを自らこなしたほか、ファイトコレオグラファーとしても参加。
巨大団地を舞台にしたスピード感あふれるバトルなど、攻めたアクションシーンは見応え満点!
孤独な少女ヒナコをめぐる切ないストーリー、本格的なアクション、豪華な俳優陣の
競演など、全編見どころの『ファブル』シリーズは日本映画の限界を越えるべく、
まだまだ盛り上がりそうだ。
冒頭、愛情深い性格からダメな男に騙され続けて各地を放浪する母子の切ない境遇がコメディ
タッチで描かれる。
母子の暮らしは貧しく侘しいのだが、陽気で愛嬌たっぷりの肉子ちゃんの存在がすべてを笑いに
変える。
まん丸とした微笑ましい肉子ちゃんの容姿に加え、自然な会話の中にも切れ味鋭い〈ツッコミ〉や
シュールな〈オチ〉がちりばめられており、明石家さんま自身がバラエティ番組でよく話す〈笑いの
キャッチボール〉がずっと続いていく。
ライター:能登春子
6月4日より公開
巨大彗星衝突の危機を描いたデザスター・パニック映画
生きるための闘いをする人々の衝撃的な姿に愕然
ほかにも、ファブルの“妹”という設定の良き相棒、ヨウコ役でキュートなお色気を振りまく
木村文乃、アキラを楽しく“イジる”オクトパスのメンバー、田高田社長役の佐藤二郎や
社員のミサキ役の山本美月など、前作の主要キャラクターも揃って続投。
主演級の俳優たちが孤高の男ファブルの活躍を引き立てる。
また、明るく優しいスカイラーには愛らしい容姿も注目のタリア・ライダー。
スティーブン・スピルバーグ監督の新作『ウェスト・サイド・ストーリー』にも出演している。
その理由は何なのだろうか? 
キャシーが医学部時代のクラスメイト、ライアン(ボー・バーナム)に再会したことから、キャシーの
真の目的が明らかになっていく。
https://17hitomi-movie.jp/
オフィシャルサイト
“何を考えているか分からない”キャシーを時に不気味に、時にかわいく演じたキャリー・マリガン
は、なかなかハードな役柄に挑み新境地を開拓している。
キャシーは知性的な復讐鬼なので、復讐する相手には犯した罪に似合う復讐を行う。
犯罪になるようなことはせず、相手を精神的にとことん打ちのめす復讐はユニークで
スカッとするが、最後の復讐だけは特別。
謎を張り巡らせたストーリーの伏線を回収するクライマックスにうならされる。
©「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会
“明石家さんま”ならではの〈笑い〉と〈優しさ〉が
交錯。笑って、泣ける痛快アニメーション映画
また、“普通”に生きようと奮闘するあまりか(?)、変なことを真顔してしまうアキラのユーモラスな
姿も見どころだ。
ふくよかな体型のためか、〈肉子ちゃん〉と呼ばれる
純粋で豪快な母親・菊子と、彼女にはまったく似て
いないクールでかわいい小学5年生の娘・キクコ。
北の漁港の古びた漁船で暮らす、なぜか同じ名前の
“訳あり母子”の日常を楽しく、温かく、そして優しく
見つめた、思い切り笑って泣ける感動作に仕上がって
いる。
https://the-fable-movie.jp/
オフィシャルサイト
セミや木などがつぶやく不思議な小ネタを織り交ぜたストーリーは、キクコが小学校で経験する
友情をめぐる、ほろ苦いエピソードを経て、肉子ちゃんとキクコの秘められた過去が明かされていく。
自分本位に走る人間の弱さをしっかりと描くことで、友達や家族など〈人を大切に思う〉難しさと
素晴らしさを伝えた心優しいメッセージが心に沁みる。
無数の彗星群が地球のそばを飛来する天体ショーが
一転、軌道を変えた彗星がアメリカ・フロリダ州の都市
に激突し巨大な衝撃波がアメリカ南東部を襲う。
さらに、48時間後には最大級の彗星が地球へと衝突し、
人類滅亡級の被害がもたらされるという――。
greenland-movie.jp
オフィシャルサイト
映画は、これら3つの家族の生活を並行して描き、それぞれの家族に巣くう問題を明らかにしていく。
仕事とワンオペ育児に疲れ切る留美子は反抗期の悠宇を頭ごなしに叱ってばかり。
大人しい性格で、夫や姑に遠慮しているあすみは優に依存している。
貧困に苦しみながらも勇の前では明るく振舞う加奈の姿は勇を悩ませている。
ジョンの不貞で絆を失いかけた夫婦が未曽有の危機に、命がけで家族を守り、愛を取り戻す。
そんな家族の再生を描いたドラマチックな美談だが、〈選別された〉ジョン夫婦の行動が少し
抜けていて共感するのが難しい。
© 2021「明日の食卓」製作委員会
加えて、入院やワクチン接種、自粛の対象など、ある意味〈命の選別〉にも思えることが
行われている深刻なコロナ禍では、映画の中の出来事があまりに空虚に思えてしまう。
36歳の専業主婦・石橋あすみ(尾野真千子)は子どものために環境の良い静岡へ引っ越して
きたばかり。
夫・太一(大東駿介)の母・幸絵(真行寺君枝)が住む家の敷地内に瀟洒な家を建て、10歳の
1人息子・優は素直な「いい子」に育ち、満ち足りた生活を送っていた。
とはいえ、映画の中の人々の姿は観るべきものがある。
自分自身が同じ過ちを犯さないためにも。そして、現実の未曽有の危機を団結して
乗り越えるためにも。
大阪に住む石橋加奈(高畑充希)は30歳のシングルマザー。
ローンを抱え生活はぎりぎりだが、昼夜を問わず懸命に働き10歳の1人息子・勇を大切に
育てている。
https://movies.kadokawa.co.jp/ashitanoshokutaku/
オフィシャルサイト
29kochanmovie.com
オフィシャルサイト
ジョンは当初アラートの意味が分からなかった。
しかし、天体ショーが始まり軌道を変えた彗星が地球へ衝突したとき、再びジョンの携帯電話に
アラートがかってくる。
そして、みんなが見ていたテレビ画面に「ギャリティ家の3人は最低限の荷物を持ち、大至急で
近隣の空軍基地へ向かえ」というメッセージが流れる。
年齢も住む場所も境遇も異なる三者三様の子育てに
励む母親たちの誰が、どんな理由で、自分の子どもを
“傷つける”のだろうか――。
見ごたえあるドラマが幕を開ける。
親と子ども、どちら側の葛藤も共感できるストーリー展開にぐいぐい引き込まれる。
そして、現代を象徴するような3つのタイプの母親像をリアリティたっぷりに演じた3人の女優たち
の熱演が光る。
2016年に出版された椰月美智子の同名小説は子育て世代を中心に大きな反響を呼んだが、
人間の心に宿る光と闇を鋭くえぐった本作は、誰にとってもとても興味深い作品に仕上がって
いる。