コロナ禍がつないだ都会と地方
笑いと涙の移住エンターテインメント
東北地方・南三陸の宇田濱町役場に勤める関野百香
(井上真央)は村の空き家問題を担当することになる。
まずは自分が抱える空き家を何とかしようと空き家情報
サイトに登録したところ早速申し込みがある。
(C)楡周平/講談社
(C)2024「サンセット・サンライズ」製作委員会
空き家活用プロジェクトは都会と地方にいる人々の心の格差を浮き彫りにする。
生まれ育った故郷に留まったり、地方から都会へ出たりと観る人それぞれの状況を
照らし合わせ、身につまされる人も多いだろう。
https://wwws.warnerbros.co.jp/sunsetsunrise/
CINEMAライター 能登春子木香圭介/宮島一美/石倉ことこ
シネマプレイスがお届けするおすすめ映画レビューは独自の視点で新作映画をご紹介しています
ソーシャル・ディスタンスや不慣れな社員もいるオンライン会議など、今となっては笑い話とも
言える“コロナ禍あるある”を快調に繰り出して笑わせる。さすがクドカン、つかみはOKだ!
無骨だけど情に厚い居酒屋店主・ケン(竹原ピストル)や、彼の店の常連客でけんかっ早い
タケ(三宅健)、漁師で気の良い百香の父・章男(中村雅俊)など、地方あるある的な
キャラクターたちも良い味を出している。
百香と晋作との仲を疑うケンたちの“田舎ハラスメント”もなんのその、ポジティブで裏表のない
晋作は人と食に恵まれた地方生活を素直に楽しみ、なりゆきで自社の新規ビジネス、宇田濱町の
空き家活用プロジェクトを担当することに。
晋作率いる東京チームと百香率いる町役場チームが協力するプロジェクトは果たして成功するの
だろうか。
都会と地方のギャップを楽しく描きつつ、終盤でクドカンの視点は悲しみとの向き合い方へ
移っていく。
コロナ禍、地方の過疎化、そして東日本大震災。
人々の価値観や人生を揺さぶる出来事が続く近年の日本、困難を乗り越えても新たな困難に
見舞われる状況で、何を信じ、どうすれば前向きに生きていけるのだろうか。
しかし、悲しみにうちひしがれて立ち止まっていても“陽はまた昇る”。
明るい未来を信じて一歩を踏み出すことが大切なのだろう。
都会と地方をつなぐ移住生活がもたらしたのは、心地よい人とのつながり方。
働き方や生き方の多様化を促進させたポストコロナ時代にふさわしい
“新しい幸せのカタチ”に注目だ。
『あゝ、荒野』(’17年)、『正欲』(’23年)の岸善幸監督がコメディ映画に初挑戦。
主演の菅田将暉とは『あゝ、荒野』以来7年ぶりの顔合わせとなる。
オフィシャルサイト
楡周平の同名小説を映画化した本作は、コロナ禍
でのリモートワークが可能にした“移住”をテーマに、
自分らしい暮らし方を見つける人々を描くヒューマン・
コメディ。
脚本を手がけるのはテレビドラマ『あまちゃん』や
『不適切にもほどがある!』など、社会現象にもなる
名作コメディを生み出し続ける宮藤官九郎。
今、考えるべき社会問題を
明るいユーモアにまぶして、軽やかに提起する
巧みなストーリーテリングは本作でも健在だ。
百香の物件に一目ぼれしたのは、東京の大企業に勤める34歳のサラリーマン・西尾晋作
(菅田将暉)。
家具家電完備の一軒家で家賃6万円、しかも海が近くて大好きな釣りが楽しめる。
コロナ禍でリモートワークとなった晋作は意気揚々と宇田濱町の空き家へやってくる。
ところが、未知のウイルスを警戒する土地で都会から来た晋作は危険な「よそ者」だ。
百香は晋作に2週間の自主隔離期間を設け、外出を禁止するが…。
掲載リスト
 サンセット・サンライズ
 366日
 スピーク・ノー・イーブル
 はたらく細胞
 正体
 海の沈黙
 BACK TO BLACK
 十一人の賊軍
 DOGDAYS
 白鳥の湖
 八犬伝
 シビル・ウォー
 Cloud
 トランスフォーマー  ONE
 本日公休
ナミビアの砂漠
 ニューノーマル
 フォールガイ
ライター:能登春子
シネマプレイスはあんか通販とともに、楽しい情報をお届けいたします。


[1月19日アップ]
1月17日より公開
[12月15日アップ]
『ゲット・アウト』『M3GAN/ミーガン』など、数々の
大ヒットホラー映画を生み出した製作会社ブラム
ハウス・プロダクションズの最新サスペンススリラー
映画。
オフィシャルサイト
ほかにも山本耕史、仲里依紗、染谷将太、深田恭子など、
人気俳優たちが細胞役で出演。
各細胞の特徴を生かしたメイクと衣装で細胞になりきった
俳優たちの活躍も見どころだ。
私たち人間のために、危険なウイルスなどに立ち向かう
細胞たちの健気な姿はさわやかな感動を呼ぶ。
1月10日日より公開
ライター:能登春子
失恋ソングから生まれた王道ラブストーリー
癒しあふれる主演コンビが紡ぐ純愛に涙
12月13日よりロードショー
ライター:能登春子
沖縄出身のバンド・HYが別れた恋人をいつまでも
思い続ける切ない気持ちを歌った失恋ソング
『366日』。
2008年の発表以来、多くの人の共感を呼び愛され
続ける名曲をモチーフにしたピュアなラブストーリー
が誕生した。
“おもてなし”の裏にある恐怖の真相
実力派俳優ジェームズ・マカヴォイが怪演
危なすぎるパディのキャラクター性や、ハチャメチャにも思えるクライマックス
のアクションシーンなどB級感もチラホラ漂うが、
異常な家族の“おもてなし”の裏に隠された真相に驚かされる。
映画では、原作にはない人間の親子の生活を描くことで、人間が生きるために体内では何が
起こっているのかがよく分かる。
映画の中のような出来事が実際に自分の体の中でも起こっているのだと考えると、とても興味
深く、純粋に楽しめる。
さらに実写版の面白さは、俳優たちがどんな風に細胞を演じるかという興味が加わること。
赤毛のショートカットにデニムのショートパンツをはいた永野芽郁は初々しい赤血球を好演。
佐藤健はアクションシーンも見どころで、白塗りメイクをしていてもセクシーでカッコいい。
タイトルの「正体」という言葉が重く響く、良質のクライム
サスペンスだ。
[11月24日アップ]
倉本はキャラクターの詳細なプロフィールを作り、俳優たちに
渡したという。
ストイックな役作りに定評がある本木や、女心の機微を巧みに
演じる小泉など、難しいキャラクターを丁寧に作り上げた俳優
たちの熱演が光る。
迫真的な殺陣に圧倒される
カッコよすぎる時代劇
16歳で演劇学校を退校処分になったエイミー・ワインハウス(マリサ・アベラ)は、友人の
ポップシンガー、タイラー・ジェイムスがきっかけとなり、ショー・ビジネスのキャリアをスタート
させる。
そして、2003年に出したファーストアルバム『フランク』が高い評価を受け、一躍人気歌手となる。
日進月歩の世の中で日本の歴史や武士の姿を
伝える時代劇は古びたものとの印象が否めず、
衰退の一途をたどってきた。
しかし近年、日本の映像分野を盛り上げる
クリエーターたちが時代劇の素晴らしさを伝えている。
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その頃、バンドマンのヒョン(イ・ヒョヌ)は外国へ行く恋人から預かったゴールデンレトリバー
「スティング」を持て余していたが、「スティング」が異物をのどに詰まらせたことからDOG DAYS
へ駆け込む。
350年以上の歴史を誇るバレエの殿堂パリ・オペラ座
バレエ団による『白鳥の湖』をIMAXカメラで収録した
『パリ・オペラ座 白鳥の湖』が11月8日より7日間限定
公開される。
動物病院〈DOG DAYS〉を中心に、犬を通して見知らぬ他人同士が関わりあう群像劇が
展開する。
ミンサンが犬のフンを踏んでしまうシーンから始まる物語はユーモラスでハートフル。
犬との接点のなかった人々が無邪気な犬たちと触れ合ううちに心がほだされ優しくなっていく
姿は微笑ましい。
今年2月に開催されたパリ・オペラ座バレエ団の来日
公演でも、『白鳥の湖』のチケットは瞬く間にソールド
アウトとなった作品である。
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気まぐれな北斎のほか、創作に理解を示さない妻・お百(寺島しのぶ)や、執筆を手伝う優しい
息子・宗伯(磯村勇斗)などに囲まれた馬琴の日常を描く伝記パートと、馬琴が創作する『八犬伝』
を描くファンタジーパートがシャッフルしたユニークな構成である。
晩年には失明するなど度重なる悲劇に見舞われる馬琴だが、それでもある信念のために
『八犬伝』を書き続ける。
実力派俳優が揃ったシリアスな伝記パート、VFXを駆使したド派手なファンタジーパート。
どちらも悪くないのだけれど、ぶっ飛んだファンタジーパートの後に真面目な伝記パートが
来るとファンタジーパートが漫画チックに見えてしまうし、現実に引き戻された感が強く、
消化不良が否めない。
かといって、シリアスな伝記パートだけなら重々しく、盛り上がりに欠けるだろう。
リーの恩師であるベテラン記者サミー(スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン)、さらに
成功をめざす若手女性カメラマンのジェシー(ケイシー・スピーニー)を加えた一行は取材車で
ワシントンD.C.へ向かう。
日本を震撼させた殺人事件の容疑者として逮捕され、
死刑判決を受けた鏑木(横浜流星)が刑務所から脱走
する。
このニュースは大きく報道され、警察は鏑木の顔写真
入りチラシを全国に手配し、鏑木の逃げ場は無いように
思われた。
そんな中、容姿を変えた鏑木は住み込みの工事現場
作業員の仕事を見つけ、ひっそりと暮らしていた。
しかし、同僚の和也(森本慎太郎)に正体を見破られ、
すぐに姿を消す。
11月22日よりロードショー
ライター:能登春子
贋作に秘められた悲しい過去と強い愛
倉本聰が集大成と位置づける渾身のドラマ
『北の国から』(’81年~‘03年)、『やすらぎの郷』
(’17年)など、数々の名作テレビドラマを生み出した
名脚本家・倉本聰が原作・脚本を手がけた重厚な
大人のラブストーリー。
オフィシャルサイト
結婚後、ブレイクとの喧嘩やドラッグ、アルコール依存による問題行動が多くなり、パパラッチの
恰好な餌食となった
エイミーは“お騒がせ”なイメージがあったが、すべての元凶はダメ夫・ブレイクにあったのだと
いうことがよく分かる。
しかし、どんなに裏切られてもエイミーはブレイクを愛し続け、彼女の楽曲にはブレイクとの愛を
歌ったものが多いという。
そんな無垢なエイミーの素顔にフォーカスし、愛に生きたエイミーの輝かしい姿をスクリーンに
とどめた。
新政府軍と旧幕府軍が戦う戊辰戦争最中の新潟・
新発田藩。
最愛の妻を新発田藩の侍に手籠めにされた政(山田
孝之)は復讐のためにその侍を殺し、罪人となる。
11月1日より公開
ライター:能登春子
犬との触れ合いをユーモラスに描く
韓国から届いたハッピーな群像劇
その頃、新発田藩家老・溝口内匠(阿部サダヲ)は新発田を戦火から守るため、新政府軍に
寝返ろうとしていた。
そんな中、旧幕府派の奥羽越列藩同盟軍が出兵を求めて新発田へやってくる。
同盟軍が城にいる間、新政府軍が新発田へ攻め入ると戦いを余儀なくされてしまうと考えた
溝口は新政府軍の進撃を止めるため、“砦の護衛作戦”を命じる。
純粋無垢な犬たちが人々の温かい心を呼び覚ます。
厳しい現実に心が疲れていたら、ぜひ観てほしい癒しと
愛にあふれた韓国映画だ。
きっちりした性格の独身男性ミンサン(ユ・ヘジン)は
1階を間貸しする動物病院〈DOG DAYS〉のせいで
自宅ビル周辺に常に犬のフンが転がっていることに怒り、
院長ジニョン(キム・ソニョン)に「契約を打ち切る」
と息巻く。
オフィシャルサイト
純白のチュチュを身につけた32羽の白鳥たちとオデットが美しいフォーメーションを描き、
流麗なバレエを見せる。
舞台の真上から捉えた映像もあり、チュチュが舞台一面に広がる光景はため息ものの
美しさだ。
江戸時代に、滝沢馬琴が28年の歳月を費やして
書き上げた全98巻、106冊に及ぶ壮大なファンタジー
小説『南総里見八犬伝』は新刊を心待ちにした
江戸時代の人々はもとより、小説だけではなく映画や
舞台、歌舞伎などさまざまなエンターテイメント作品
へと昇華され、時代を超えて多くの人々を楽しませて
いる。
[10月6日アップ]
オフィシャルサイト
リーたちが道中で遭遇する戦場のエピソードは強烈で、とても恐ろしい。
とくに仲間であるはずの国民同士が戦う狂気を表したエピソードは圧巻だ。
さまざまな危険を乗り越えて、たどり着いたワシントンD.C.での戦いを描いた映画終盤も
見せ場が満載で、ラストシーンまで本当に面白い。
監督・脚本は、イギリスの鬼才として注目されるアレックス・ガーランド。
ダニー・ボイル監督のホラースリラー『28日後……』(’07年)で脚本家デビューを飾り、
監督デビュー作『エクス・マキナ』(’15年)の独創的な映像世界で高い評価を受けた。
20年にわたり続く、人気ロボットヒーローアクション
映画『トランスフォーマー』シリーズ。
8作目となる本作は、トランスフォーマーたちの故郷
サイバトロン星を舞台に、トランスフォーマーたちの
ルーツが描かれる。
大切な店を休んで届けた優しい心
誰かのために行動する母の姿が胸を打つ
忙しくない毎日を生きる人々へ。
たった1日の切なくて、温かい「休みの日」の出来事を
見て、心を穏やかにしてほしい。
人を労り、思いやる心の大切さを描いた癒しあふれる
台湾映画だ。
オフィシャルサイト
カナとハヤシのぶつかり合いは、あまりの激しさに
驚かされるが、痛快で微笑ましくも映る。
破滅的なカナは賛否の分かれるキャラクターだが、
河合優実の緩急自在の演技は見応えがある。
河合優実は女優になる前に観た『あみこ』に感銘を受け、
山中監督に「いつか出演したい」と伝えていたという。
そんな河合の情熱がカナを血の通った人間にしている
のかもしれない。
一方、デートアプリでマッチングした相手とカフェで待ち合わせたヒョンス(イ・ユミ)の前に
意外な人物が現れる。
4日間の間に、6人の主人公がそれぞれ経験する恐怖の出来事が6編のオムニバス形式で
描かれる。
4日間の時系列はバラバラで、トップバッターのチェ・ジウのエピソードは2日目の出来事に
なっている。
腕利きのスタントマン、コルト・シーバース(ライアン・ゴズ
リング)は、アクションスターのトム・ライダー(アーロン・
テイラー=ジョンソン)の代役として数々のアクションを
こなしてきたプロ中のプロ。
しかし、フォールガイ(スタント用語で、高所から落下する)
で失敗してしまい、心身のダメージから業界を去る。
copyright 2006 value-fix all rights reserved.
脇を固めるのは、石坂浩二、中井貴一など倉本作品常連の
ベテラン俳優たち。
監督は『ホワイトアウト』(’00年)、『Fukushima 50』(’20年)の
若松節朗が務めている。
しかし、今後の方針で父のミッチ(エディ・マーサン)やレコード会社と意見が合わず、会議を
飛び出したエイミーはパブでブレイク(ジャック・オコンネル)と出会う。
2人はすぐに熱烈な恋に落ちるがブレイクは元カノと寄りを戻してしまい、傷ついたエイミーは
酒に溺れ、問題行動を起こすようになる。
心配したマネージャーはエイミーにリハビリ施設での治療を進めるが、彼女は拒否する。
やがてブレイクとの失恋の日々を綴った『バック・トゥ・ブラック』が大ヒットする。
そんな彼女の元にブレイクが戻ってくる。
『孤浪の血』シリーズの白石和彌監督が『碁盤斬り』
(’24年)に続き時代劇のメガホンをとった本作は、
日本古来の“チャンバラ”の迫力とカッコよさを改めて
知らしめた見事な作品だ。
犬たちがつないだ縁はやがて愛や夢、家族の絆などを育み、人々も
犬たちも幸せにする。
大団円のラストシーンまで、ずっと微笑んで観ていられる良作だ。
『ミナリ』で韓国人として初めて米アカデミー賞助演女優賞に輝いた
ユン・ヨジョンのほか、韓国映画界のヒット請負人と評される実力派
俳優ユ・ヘジン、韓国の大ヒットドラマ『SKYキャッスル~上流階級の
妻たち~』のキム・ソヒョン、伝説のアクション映画『シュリ』のキム・
ヨンジンなど、日本でも知られる韓国の人気俳優たちが豪華共演を
果たしている。
チワワやフレンチブルドッグ、ゴールデンレトリバーら犬たちの情感豊かな
名演も見どころだ。
この度、今年6月にパリのオペラ・バスティーユ劇場での
最新公演が全世界のIMAXシアターで同時公開される。
[11月2日アップ]
2024年2月29日、東京。音楽会社に勤める湊(赤楚衛二)
の元を1人の少女・陽葵(稲垣来泉)が訪れる。
戸惑う湊に彼女が手渡したのは1枚のMD。
そこに入っていのは15年前に別れた恋人・美海(上白石
萌歌)からのメッセージだった。
日本公開にあたって銘打たれた“おもてなし”スリラー
というのはなかなかうまい。
日本ならではの“おもてなし”という柔らかな響きとは
裏腹に、異常な家族による“おもてなし”は相当に
過激だ。
[12月8日アップ]
20年前の沖縄。
湊と美海は高校の先輩と後輩として出会う。
歌を通して愛を深めた2人は高校卒業後、東京で一緒に
暮らし始める。
12月13日よりロードショー
ライター:能登春子
ロンドン在住のアメリカ人一家、ダルトン家はベン
(スクート・マクネイリー)とルイーズ(マッケンジー・
デイヴィス)の夫妻と思春期前の娘アグネスの3人
家族。
ベンの仕事のためにロンドンへ来たものの、ベンは
すぐに仕事を失ってしまい夫婦関係もぎくしゃくしている。
想像を超えた細胞たちの活躍が楽しい
笑いと感動のエンターテインメント超大作
酸素を体内に運ぶ赤血球や体内に侵入した異物
を排除する白血球など、人間の体内にある細胞を
擬人化した人気コミックを実写で映画化。
「愛する人との幸せな日々が365日ずっと続きますように」と願っていた2人。
しかし、湊が突然、美海に別れを告げ姿を消してしまう。美海は失恋の悲しみを抱えたまま、
沖縄に帰郷する。
愛する人と別れなければならない辛さを全身で表現する上白石萌歌、愛する人を幸せにできない
切なさを静かに表現する赤楚衛二。
穏やかで柔らかな雰囲気を醸しだす2人ならではのラブストーリーは悲しくも癒しに満ちている。
ある日、イタリアでバカンス中のベンら家族はイギリス人男性パディ(ジェームズ・マカヴォイ)
の家族と出会い、意気投合する。
自称医師のパディは豪放な性格で、彼の妻キアラは思いやりのある女性。
二人の息子アントは生まれつき口のきけない障害を抱えている。
それでも、人里離れた農場でストレスフリーの生活を送るパディ一家はベンにとって理想の家族
に見えた。
人間の俳優が細胞を演じるという奇想天外な試みは
無謀にも思われたが、楽しくてタメになる一級品の
エンターテイメント作品に仕上がっている。

日頃から不規則で不摂生な生活をしている配送業の
父・茂(阿部サダヲ)と2人暮らしの女子高校生・
日湖(芦田愛菜)の物語。
まじめな性格で健康的な生活習慣を送る日湖の体内
では、ちょっとドジな赤血球(永野芽郁)やクールな
白血球(佐藤健)など、さまざまな細胞たちが
いつも一生懸命働いていた。
[12月1日アップ]
[1月12日アップ]
HYが手がける主題歌『恋をして』は『366日』のアンサーソングになって
いるという。
辛い失恋もやがて人生の糧になる。たとえ結ばれなくても、
全力で人を愛することの素晴らしさがひしひしと伝わってくる。
純粋でひたむきな主人公たちの姿を見て、自分自身の恋愛を振り返って
みたくなる人も多いのではないだろうか。
数週間後、ベンはパディの農場へ招待される。
ルイーズは慣れない田舎の生活に躊躇するが、就職活動がままならないベンは何かを変える
ために、この誘いに乗り家族を連れてパディの農場へ向かう。
とても医師とは思えない行動をとったり、ベジタリアンのルイーズに七面鳥を振る舞ったりと粗野な
パディに対して不安が募る。
子どもたちを家に残し夫婦だけで出かけたディナーも不穏な雰囲気に包まれており、パディ夫妻の
異様さが徐々に表れていく。
11月29日よりロードショー
ライター:能登春子
https://www.universalpictures.jp/micro/speaknoevil
総勢7500人にのぼるエキストラを動員し、全国21都市
31ヶ所でロケーション撮影を行うなど、キャスト・スタッフ
が一丸となり、リアルな体内の創造に尽力したことが
うかがえる。
ミクロな細胞たちのダイナミックな世界をぜひ映画館の
大きなスクリーンで体感してほしい。
出版社に勤める紗耶香(吉岡里帆)はアルバイトのライター・那須の丁寧な仕事ぶりに感心
していた。
那須がネットカフェで寝泊まりしていることを知った紗耶香は、那須を自宅に泊まらせる。
那須との共同生活は数日続き、紗耶香は那須の誠実な人柄を好ましく思っていた。
そんな時、鏑木を追う刑事・又貫(山田孝之)が紗耶香の部屋を訪れる。
那須は鏑木だったのだ。
倉本聰が長年にわたり構想し、36年ぶりに映画脚本を
手がけた本作は、アイドル歌手から実力派俳優へと
見事な成長を遂げた本木雅弘と小泉今日子が32年
ぶりに共演を果たすのも注目だ。
[11月17日アップ]
(C)清水茜/講談社 (C)原田重光・初嘉屋一生・清水茜/講談社 (C)2024 映画「はたらく細胞」製作委員会
(C) 2024 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.
IMAX® is a registered trademark of IMAX Corporation.
別人に成りすまして日本各地に潜伏する死刑囚・鏑木の逃亡劇がスリリングに描かれる。
和也や紗耶香など潜伏先で鏑木に出会った人々は彼にまったく異なる印象を持っていた。
果たして鏑木の本当の姿、「正体」とは何なのか?
絶望的な状況で逃亡を続ける鏑木と冷酷無比に鏑木を追い詰める又貫との攻防は、
横浜と山田の迫真の演技により終始緊迫感に満ち、息詰まる展開で見応えがある。
妻・安奈(小泉今日子)を伴い、自身の展覧会へ
向かった世界的な画家、田村修三(石坂浩二)は、
展示されていた1点の絵画を見て驚愕する。
それは自身の絵を精巧に模倣した贋作だったのだ。
田村の訴えに慌てた主催者は隠蔽を画策するが、
田村はその事実を報道陣に公表し、世間を騒がす
大事件となる。
贋作を保有していた美術館の館長・村岡(萩原聖人)は
それが贋作だとは知らず絵の美しさに惹かれて購入
していたのだが、事件を苦にして自殺してしまう。
11月22日よりロードショー
ライター:能登春子
名曲に隠された苦しい愛の日々
エイミー・ワインハウスの伝記映画
オフィシャルサイト
自分の姿を変えた鏑木の逃亡劇から見えてくるのは、
他者の姿ではなく心を見ることの大切さ。
終幕で描かれる紗耶香や和也らの行動には、
観る者により賛否が分かれることだろう。
しかし、他者と関わることが不可欠な世の中で、
自分は他者とどう関わるのか改めて考えてみたくなる。
警察組織の闇を盛り込んだ社会派の側面も見せるが、
人を信じる力を与えてくれる
ヒューマニズムにあふれた作品となっている。
同じ頃、北海道・小樽で全身に刺青の入った女・牡丹(清水美沙)の死体が発見される。
その艶やかで美しい刺青を入れたのは彼女の恋人で画家の津山竜次(本木雅弘)だった。
本作のテーマは、人間にとって「美」とは何か? 圧倒的な“美しさ”を持つ贋作に端を発し、
名もなき画家の津山と世界的画家の田村、そして、相反する2人の男を結ぶ安奈との因縁の
ドラマが幕を開ける。
2011年、27歳の若さで急逝したイギリスの歌姫
エイミー・ワインハウス。
アルコール依存症療養施設でのリハビリを経て
発表されたセカンドアルバム『バック・トゥ・ブラック』
でグラミー賞5部門に輝き、さらなる活躍が期待
された中での衝撃的な死だった。
20歳のデビューから活動期間はわずか7年間。
その間、歌手として圧倒的な個性を放ち、多くの
若者に支持されたエイミーは1人の男性との出会い
で運命を狂わせていく。
[11月10日アップ]
オフィシャルサイト
『日本任客伝』(’64~’67年)や『仁義なき戦い』(’73~’74年)など、裏社会に生きる男たちの
抗争を描いた大ヒット任侠映画の名脚本家・笠原和夫が60年前に構想したプロットを、白石和彌
監督が強い思いを込めて映画化。
脚本の池上純哉のほか、『孤浪の血』シリーズのスタッフが再結集し、超一級のアクション時代劇
映画を生み出した。
しかし、DOG DAYSの顧客に有名建築家のミンソ
(ユン・ヨジョン)がいることを知ったミンサンは、ジニョン
にミンソを紹介してもらうため、ジニョンが助けた保護犬、
チワワの「車長さん」を預かることになる。
11月8日よりIMAX限定公開
[10月27日アップ]
華やかな経歴とは裏腹に、一人暮らしのミンソは日々の
食事をデリバリーで済ませる孤独な生活を送っている。
いつも来る配達員ジヌ(タン・ジュンサン)に愛想のない
態度をとっていたミンソだが、行方不明になった愛犬
フレンチブルドック「ワンダ」を探すためジヌに協力を
依頼する。
そこにミンソと親しくなりたいミンサンも加わる。
ライター:能登春子
https://wwws.warnerbros.co.jp/saibou-movie/
第3幕では、いよいよ王子の誕生日の祝宴が始まる。
オデットと真実の愛を誓った王子の前にオデットになりすましたロットバルトの娘オディールが
現れる。
王子は黒鳥となったオディールをオデットと思い込み、結婚を誓う。
10月4日より全国ロードショー
本作は、『魔界転生』『妖怪太閤記』などで知られる
昭和の“伝記作家”山田風太郎が斬新なアプローチで
『八犬伝』の魅力を伝えた同名小説の映画化。
ライター:能登春子
第4幕では、自身の過ちに気づいた王子がオデットを追いかけるが…
オフィシャルサイト
https://movies.shochiku.co.jp/366movie/
友人宅での楽しい週末旅行が恐怖の体験へと変わってしまったベン一家の死闘がスリリングに
描かれる。
筋骨隆々で、ひとたび怒らせたら何を仕出かすか分からないパディ。穏やかな表情の中に狂気を
感じさせるジェームズ・マカヴォイがとにかく怖い。
監督・脚本は『ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館』のジェームズ・ワトキンス。
デンマークのスリラー映画『胸騒ぎ』(‘22年)をリメイクし、人間の狂気が
生み出す恐怖を描き出した。
ジャンクフードに酒、タバコが大好きな茂の体内は、細胞たちにとっては“ブラック”な労働環境
となっていた。
人間の健康をおびやかす細菌やウイルスと、人間の命を守るために働く細胞との戦いを
ユーモラスにアクション仕立てで描いた原作の人気の理由は、知的好奇心を刺激するから
だろう。
5つの顔を持つ死刑囚が向かう先とは?
横浜流星のひたむきな演技が胸を打つ
オフィシャルサイト
「本物だから良い」とされる世の風潮に対して、“心”の備わっていない本物でも良いと言えるの
だろうか? 
愛人との別宅を持ち、安奈を裏切る田村。そんな夫とやるせない日々を送る安奈。
そんな偽りの人生を生きる2人に対し、苦難を乗り越えた末に自身の心血を注いだ絵を描き上げ
ようとする津山のエネルギッシュなこと。
“心”を備えた本物の絵が生まれるシーンの迫力ある映像に圧倒される。
彼女の代表作を冠した本作で描かれるのは、エイミー
の一途すぎる愛の物語。パワフルでソウルフル、
エキセントリックでセンシティブ--、自身の多様な
心に導かれるままに突き進んだエイミーの生き様が
赤裸々に描かれる。
11月1日より公開
ライター:能登春子
くせ者たちが入り乱れたドラマチックなストーリーに、手に汗握る壮絶なアクションシーンが絡み、
ラストシーンまで驚きの連続だ。
妻への愛を貫き孤独な戦いを続ける熱い男・政を体当たりで演じた山田孝之、困難な状況でも
武士道を貫く鷲尾を堂々と演じた仲野太賀、残忍なことも辞さないシビアな溝口を淡々と演じた
阿部サダヲなど、芸達者な俳優たちのぶつかり合いも見応えがある。
IMAXスクリーンで極上のバレエ体験
世界が注目する『白鳥の湖』が限定公開
クラシック・バレエは人間の肉体が生み出す芸術の
最高峰ではないだろうか。
肉体の限界を超えて、つま先立ちで踊るバレリーナ
たちの手指の先まで神経の行き届いた動きの美しさに
素直に感動する。
『新聞記者』(’1年)、『余命10年』(’22年)など、
深いメッセージ性のある作風で高い評価を受ける
藤井道人監督が、染井為人の傑作小説を映画化。
監督はジョン・レノンの青春時代を描いた『ノーウェアボーイ ひとりぼっちの
あいつ』(’09年)で長編監督デビューを果たしたサム・テイラー=ジョンソン。
苦悩と葛藤を抱えた人物を丁寧に描写し、好感が持てる。
そうして集められたのは新発田藩の直心影流の使い手・鷲尾兵士郎(仲野太賀)と政ら11人の
罪人たち。
鷲尾は武士の誇り、罪人たちは無罪放免のために、険しい渓谷にある砦へ向かう。
しかし新発田藩を恨む政は、妻の元へ帰るために砦から脱走を繰り返す。
https://btb-movie.com/
古今東西さまざまなアクション映画が作られているが、時代劇は日本が誇る
アクション映画だ。
丁寧に作られ、臨場感にあふれた迫真の殺陣は世界の人々も魅了するはず。
ぜひ海を渡り、時代劇の魅力を伝えてほしい。
そんな中、「ワンダ」は作曲家のソニョン(チョン・ソンファ)とジョンア(キム・ヨンジン)夫妻が
養子に迎えた少女ジユの元にいた。
ジユは悲しい過去から心を閉ざしていたが「ワンダ」と暮らすことで笑顔を取り戻し、夫妻とも
心を通わせていく。
https://11zokugun.com/
『スパイダーマン』シリーズのキルスティン・ダンストが心に傷を抱えた
戦場カメラマン・リーを貫禄たっぷりに演じている。
吉井(菅田将暉)は町工場に勤めながら、“ラーテル”というハンドルネームを使い、転売で
日銭を稼いでいた。
転売の仕事を教わった高専の先輩・村岡(窪田正孝)からの“デカい話”や勤務先の社長・
滝本(荒川良々)からの昇進の打診を断り、真面目にコツコツ転売業に励んだ吉井は順調に
売り上げを伸ばし、郊外の湖畔に建つ瀟洒な邸宅に自宅兼事務所を構え、恋人・秋子
(古川琴音)と共に移り住む。
何台ものパソコンを所有し、地元の若者・佐野(奥平大兼)を雇い、ますます転売業に注力する
吉井だが、誰かに狙われているような不審な出来事が相次ぐ。
サイバトロン星の地下都市で働く労働ロボット、オライオン
パックスはヒーローに憧れる若者。
挑戦的でいつもパワフルに動き回り、無鉄砲な行動も
しばしば。
一方、D-16は規則正しくルールに従順で、やんちゃな
オライオンパックスにいつも振り回されていた。
だが、性格は対照的でも2人は固い友情で結ばれていた。
[9月1日アップ]
台中の下町で40年にわたり理髪店を営むアールイ
(ルー・シャオフェン)は、客たちがそれぞれの思いを
込めた注文に真摯に応えたり、顔を見せない常連客を
心配して電話をかけたりと、勤勉で心優しい。
彼女は1人で育て上げた3人の子どもたちの不安定な
生活を心配しているが、子どもたちはアールイの親心など
お構いなしだ。
そんな中、次女リン(ファン・ジーヨウ)の別れた夫チュアン
(フー・モンボー)は幼い息子を散髪に連れてくるなど、
アールイを気にかけてくれていた。
9月6日より全国ロードショー
ライター:能登春子
河合優実が熱望した山中瑶子監督作
混とんとした現代を生き抜く力が湧いてくる
19歳の時に自主制作した初監督作『あみこ』(’17年)
が世界的な評価を得た山中瑶子監督と、昭和の不良
少女を茶目っ気たっぷりに演じたテレビドラマ『不適切
にもほどがある』で大ブレイクを果たす前から、数々の
映画やドラマで鮮烈な印象を残してきた女優・河合優実。
新時代の表現者として独特の存在感を放つ20代の2人の
女性が共鳴し合い、混とんとした現代を迷いながら生きる
人々に向け、驚くべき物語を生み出した。
オフィシャルサイト
シリアスとコミカルなノリが共存する、日本の人気テレビドラマ
『世にも奇妙な物語』的なオムニバス作品だが、一部の
キャラクターが思わぬ形で出会っており、6編のエピソードが
さりげなく交錯しているのが本作の妙味。
エピソードによって良くも悪くも印象が変わる人々を見ていると、
表面からは計り知れない闇をもつ人間の怖さが感じられて、
背筋がヒンヤリと寒くなる。
SNS、ストーカー、孤独な都会人など、現代の社会問題を
絡めて、いびつな人間関係がもたらす異様な世界を描き
切っている。
ところがゲイルはコルトにもう一つ“仕事”を依頼する。
それは、なんと撮影中だった主演のトムが行方不明になり、そのトムを探すことだった。
トムを探すコルトが次々にトラブルに巻き込まれ、ド派手なアクションが展開する。
『きみに読む物語』(‘04年)、『ラ・ラ・ランド』’16年)など、演技巧者のライアン・ゴズリングが
果敢にアクションシーンをこなしているのが新鮮だ。
https://cloud-movie.com/
雄大な自然に囲まれたハイウェイからの景色はのどかに見えるが、ひと度、人に出会うと
敵か味方か分からずに銃を向けられる。
買い物に立ち寄ったガソリンスタンドや、民兵グループによる銃撃戦など、リーたちは死が
身近にある恐怖をひしひしと感じながら、おぞましい内戦の光景をカメラに収めていく。
「生活を変えたい」という単純な動機から、地道に
働くことを止め非情な“転売ヤー”となった若者の身に
起こる恐怖を描く。
『CURE』(’97年)、『岸辺の旅』(’15年)、
『スパイの妻』(’20年)など、
ミステリータッチの作風が世界的な
評価を受ける黒沢清監督と、
変幻自在の怪優・菅田将暉が
タッグを組んだサスペンススリラーだ。
アールイを演じた名優ルー・シャオフェンは本作で22年ぶりに俳優業に
復帰し、映画主演は24年ぶりとなる。
そして、静かな存在感のある演技で第25回台北電影奨最優秀女優賞に
輝いた。
台湾の俊英フー・ティエンユー監督が自身の母親を元に脚本を書き上げ、
台中にある実家の理髪店で撮影を敢行し、3年の歳月を経て完成された。
監督のひたむきで優しい思いが込められた作品は多くの人の心に響くはずだ。
〈楽しいはずなのに、心が満たされない〉〈そもそも、自分にとって楽しいことって何?〉〈自分は
本当は何がしたいのか?〉。
人生が退屈なのは自分が本当にやりたいことをしていないからに違いない。でも、自分の欲求が
分からない人は案外多いのではないだろうか?
社会の足かせで自分の望みを実現できない人も多いだろうが、若いうちなら抑圧された社会を
打ち破るパワーも必要なのではないだろうか?平穏なハヤシとの生活でも、心が満たされない
カナは躁鬱気味になりエキセントリックな言動でハヤシを困らせる。
しかし、ハヤシはめげずにカナのやり場のない思いを体を張って受け止めるのだ。
8月16日より全国ロードショー
韓国ソウルで女性ばかりを狙う連続殺人事件が発生し、
世間を賑わせていた。
ある日、マンションで一人暮らしをしているヒョンジョン
(チェ・ジウ)の部屋に「火災報知機の点検をしに来た」
という不審な中年男性が訪れる。
警戒するヒョンジンをよそに男は無理やり部屋に入り込み
部屋中の火災報知機を点検して回るが、何を仕出かすか
分からない雰囲気を醸しだしていた。
ライター:能登春子
アクションスタントマンへの愛にあふれた
ライアン・ゴズリング主演の痛快アクション映画
ハラハラ、ドキドキ、ワクワクするようなアクション映画が
生まれるのは、危険なアクションシーンに命がけで挑む
スタントマンがいるからこそ。
「フォールガイ(身代わりの人)」と呼ばれる、名前も顔も
知られない影のヒーロー、スタントマンに光を当てた、
とびきりイカしたアクション映画が登場した。
オフィシャルサイト
ライター:能登春子
[9月9日アップ]
映像、ストーリーともに考え抜かれた
迫真的なロボットたちの世界に圧倒
9月20より全国ロードショー
ライター:能登春子
9月20日より全国ロードショー
ジークフリード王子と、悪魔ロットバルトの魔力により白鳥の姿に変えられてしまったオデット姫
との悲恋の恋の物語は、全4幕で構成されている。
第1幕ではジークフリード王子の誕生日の祝宴に向けた準備が行われ、
淡い色合いの軽やかな衣装に身を包んだバレエダンサーたちが華やかに
舞い踊る。
[10月20日アップ]
10月25日より全国ロードショー
第2幕では、理想の愛を求める王子が湖のほとりで白鳥の姿になった
オデット姫と出会う。
伝記映画とファンタジー映画の融合
滝沢馬琴の半生を描く斬新な『八犬伝』
ライター:能登春子
監督・脚本は『ピンポン』(’02年)、『鋼の錬金術』シリーズ(‘17~’22年)の曽利文彦。
VXFに長けた監督ならではの、突き抜けたアクションファンタジーに徹したほうが
シンプルに楽しめたかもしれない。
『はたらく細胞』ハロウィンパーティーにて
https://happinet-phantom.com/uminochinmoku/
まるで生き写しのようなエイミーを演じたのは、売り出し中のイギリス人女優
マリサ・アベラ。
激しくも繊細なエイミーを熱演するとともに、映画の歌唱もすべてマリサが
歌っているという。
『正体』初日舞台挨拶
https://movies.shochiku.co.jp/shotai-movie/
https://www.rakuten-ipcontent.com/dogdays/
https://www.zaziefilms.com/dayoff/
『エブリシング・エブリウェア・アール・アット・ワンス』(‘22年)など、
奇想天外な作品で人気を博す映画スタジオA24が過去最高額の
予算を投じて製作した戦争アクション大作は、アメリカのみならず
世界的に政治家による失政への不満が高まる今、観るべき問題作
である。
互いの素性が知れないインターネットでのやり取りは人の善悪の判断を狂わせる。
金儲けに走り、アコギな転売を重ねる吉井は、実はさまざまな人の恨みをかっている。
吉井に被害を受けた者もいれば、吉井の成功をねたむ者や吉井の無礼な態度に怒る者など、
理不尽な恨みを抱く者もいるが、吉井が安易にインターネットを使った結果生まれた憎悪が
彼に襲いかかる。
https://happinet-phantom.com/a24/civilwar/
そんな2人が謎のSOSメッセージを受けたことから、
サイバトロン星で密かに進行する陰謀に気づく。
さまざまな映画や音楽をオマージュした小ネタがちりばめられているのも
ニヤリとしてしまう。
ゲイルの元カノで『メタルストーム』の監督に抜擢されたジョディを演じるのは、
エミリー・ブラント。
『オッペンハイマー』(’23年)で米アカデミー賞助演女優賞にノミネートされた
実力派女優のエミリーはゴズリングとともにコミカルでチャーミングな姿を見せ、
はちゃめちゃなアクションシーンもかっこよく決めている。
https://fallguy-movie.jp/
バレエダンサーたちの表情や肉体の動きをクローズアップした映像はとても貴重だ。
2人のエトワールたちの身体を流れる汗を見ていると、バレエのハードさがよく分かる。
唯一無二の世界観を持つ、奇想天外な物語はいかにして
書き続けられたのか? 
『八犬伝』の創作にかけた滝沢馬琴の壮絶な半生と、
彼が苦悩や葛藤の末に生み出した『八犬伝』の物語が
鮮やかによみがえる。
公演時間は2時間20分。ソロやペア、群舞など多彩なバレエが次々に展開し、まったく飽きさせ
ない。
バレエダンサーたちの超人的な身体の動きに圧倒される。
政治家の失政が招いた現代のアメリカ内戦
恐怖と狂気と驚愕の戦争ロードムービー
日本では南北戦争として知られる、シビル・ウォー
(市民戦争)とは1861~65年にかけて奴隷制度などを
めぐり、アメリカが南部と北部の州に分かれて戦った
アメリカ内戦のこと。
かなり煽情的なタイトル通り、現代に起こったアメリカ
内戦の顛末を描いた本作は決して絵空事とは思えない
生々しい恐怖に満ちている。
オフィシャルサイト
吉井と、彼に恨みを抱く者たちとの壮絶なサバイバルゲームはスリル満点。
菅田、窪田、荒川など実力派俳優たちの鬼気迫る演技は見ものだ。
インターネットを経由した“実態のない”サービスを意味する
「Cloud(クラウド)」。
SNSでの誹謗中傷や炎上などがエスカレートする昨今、バーチャル上で
生まれた悪意や憎悪がリアルな世界に侵食する狂気と恐怖を肌で感じて
ほしい。
さまざまなトランスフォーマーたちが入り乱れ、緻密に練り上げられた
ストーリーは少々複雑だが、息をつかせぬ展開でよくできている。
正義のオートボットを率いる司令官オプティマスプライムと、冷酷な
ディセプティコンのリーダー、メガトロンとの間にある悲しい宿命が
明らかになり、また新たな視点で2人の闘いをみられるだろう。
ある日、アールイは遠くに引越した長年の常連客が病床にあると知り、店を休み、出張散髪に
行くことにする。
チュアンはアールイを心配し、同行することを申し出る。
ところがチュアンに急な仕事が入ったことから、アールイはたった一人で愛車に乗り、見知らぬ
町を目指す。
これまでの作品のような実写ではなく、登場するのはトランスフォーマーたちだけ。
まるで人間のような豊かな表情、スピード感あふれるトランスフォーマーたちの動き、きらびやかで
精緻なサイバトロン星の光景など、最新CG技術を駆使した最先端の映像世界に驚かされる。
オデットとオディールを演じるのは、同団でアジア人初のエトワールに
任命された韓国出身のパク・セウン。
ジークフリード王子にはポール・マルク。
2人は今夏のパリ・オリンピック2024の開会式で聖火リレーを行った
ことでも知られる。
江戸時代の人気作家・滝沢[曲亭]馬琴(役所広司)は、友人の絵師・葛飾北斎(内野聖陽)に
構想中の物語を聞かせる。
それは室町時代、安房国の領主・里見義実が主君を惑わせ操った悪女・玉梓(栗山千明)を処刑
したことから始まる奇怪な物語だ。
その話に驚嘆した北斎はその場で下絵を描き上げるが、馬琴が正式に挿絵を頼むと下絵を破り
捨ててしまう。
しかし、話の続きが気になる北斎は馬琴の元へ通い、新しい話を聞くたびに下絵を描くが、決して
馬琴には渡さない。
そうして創り続けた馬琴の『南総里見八犬伝』は評判になっていく。
3期目の大統領任期のために憲法を改正した独裁的な
アメリカ大統領(ニック・オッファーマン)に反発して
19の州が連邦政府から離脱。
アメリカの各地でテキサスとカルフォルニアの同盟から
なる西部勢力と政府軍による激しい武力衝突が繰り広げ
られていた。
政府軍の敗戦が濃厚になる中、ニューヨーク在住の
戦場カメラマンのリー(キルスティン・ダンスト)と記者の
ジョエル(ワグネル・モウラ)は14ヶ月間一度も取材に
応じていない大統領への単独取材を計画する。
[9月29日アップ]
9月27日より全国ロードショー
ライター:能登春子
さまざまな品物を買い占め、高値で販売し、
金儲けをする。
製作者の思いを踏みにじり、購入者の弱みに
つけこむ転売業がインターネットの中にあふれて
いる。
ネット社会が生み出した狂気の世界
菅田将暉が恐怖のサバイバルゲームに挑む
[9月15日アップ]
オフィシャルサイト
https://tf-movie.jp/
オフィシャルサイト
アールイが帰る家には、「本日公休」の理由を知らなかった3人の子どもたちがアールイを心配
して待っている。
誰かのために行動した母の姿は訳ありな子どもたちを笑顔にし、家族の絆をより深めていく。
浮気相手のハヤシ(金子大地)から愛を告白されたカナは、優しい恋人・ホンダ(寛一郎)の
前から黙って消え、ハヤシと同棲を始める。
新しい生活に胸躍らせる2人だが、やがて些細なことから衝突するようになる。
韓国ホラー映画歴代興収第2位を記録した『コンジアム』
のチョン・ボムシク監督の待望の最新作は、日常に潜む
恐怖を描くスリラー。
大ヒット韓流ドラマ『冬のソナタ』のチェ・ジウが7年ぶりに
映画出演を果たすほか、男性アイドルグループSHINee
のチェ・ミンホ、国民的歌手のチョン・ドンウォンなど、
韓国の人気スターが顔を揃えているのも見どころだ。
感情移入を誘う素晴らしいロボットたちの活躍に今後も期待したい。
監督を手がけるのは、『トイ・ストーリー4』のジョシュ・クーリー。
[8月18日アップ]
オフィシャルサイト
離婚や仕事の悩みを抱えるリン、友人を思うあまりリンとの家庭を疎かにしてしまったチュアンなど、
うまくいかないことがありつつも、何とか前を向いて生きようとする人々に共感してしまう。
「いるいる」と思えるキャラクターや、「あるある」と思えるエピソードの数々に自然に引き込まれる。
監督は『ジョン・ウィッグ』シリーズや『デッドプール2』など、アクション映画監督として
注目を集めるデヴィッド・リーチ。
元スタントマンの経歴を持つリーチ監督は、本作に20年間にわたるスタントマン時代を含め、
自らが生きてきた世界〈映画〉への愛をたっぷり込めている。
裏方のスタントマンの活躍やアクション映画製作の舞台裏、そして奇想天外なアクションシーン
など、映画好きならすべてが興味深く楽しめるだろう。
[8月25日アップ]
東京の片隅で暮らす21歳の女性カナ(河合優実)は、
元クラスメイトが自殺しても真剣味がなく、ホストクラブで
気晴らしし、同棲相手がいても刺激を求めて浮気し、美容
脱毛サロンの仕事もあまりやる気がなさそう。
楽しそうに笑っていても心の中は虚無感でいっぱい。
世の中にも自分の人生にも退屈しきり、どこにもやり場の
ない感情を抱えながら毎日を生きている。
8月16日より全国ロードショー
ライター:能登春子
いびつな人間関係から生まれる心の闇
涙の女王チェ・ジウが恐怖の世界へ
迷いながらも何とかたどり着いた常連客の家で、アールイが心を込めて散髪を施す姿が清々しい。
現実の痛みを受け入れ、自分にできる精いっぱいなことをやる。
そんな人としてあるべき姿が丁寧に描かれ、しみじみと心に沁みる。
本作は山中監督の本格的な長編映画第1作となるが、
第77回カンヌ国際映画祭で監督週間に正式出品され、
女性監督として史上最年少となる
国際映画批評家連盟賞受賞の快挙を果たした。
注目の作品である。

ジャパンプレミアで監督キャストが勢ぞろい

他にも、孤独な大学生フン(チェ・ミンホ)が自動販売機の
取り出し口で見つけた手紙に導かれるエピソードや、
受験生のスンジン(チョン・ドンウォン)が車椅子の女性を
助けるエピソードなど、物騒な殺人事件が起こる中でも、
自分はそんなこととは無縁と思っている普通の人々が突然、
死の恐怖に直面することになる。
18ヵ月後、レストランの駐車係をしていたコルトはプロデュー
サーのゲイル(ハンナ・ワディンガム)の依頼で、シドニーで
撮影中のトムのアクション主演作『メタルストーム』で
スタントマンに復帰する。
https://happinet-phantom.com/namibia-movie/
バレエ界初の試みとなる大迫力のIMAX映像と音響で楽しむ『白鳥の湖』は、
バレエファンも初心者も、未知なるバレエ体験ができるだろう。
https://tohotowa.co.jp/parisopera/movie/swanlake/
https://newnormal-movie.jp/
https://www.hakkenden.jp/
映画のプロモーションでは
18年ぶりに来日したチェ・ジウ
さまざまなスタントをこなし誇り高いスタントマンの矜持を見せる一方で、素のコルトは飄々として
いたり、やさぐれ感があったりと、実に人間味あふれるキャラクター。
絶対的なヒーローではないコルトが頑張る姿と、アクション俳優ではないゴズリングが奮闘する姿が
重なり、コルト=ゴズリングを次第に応援したくなってくる。